内容説明
煉瓦色の表紙の目立たない仮綴本の形で、アンドレ・ブルトンの起草になる宣言書がパリのサジテール(シモン・クラ)書店から刊行され、いわゆるシュルレアリスム運動が正式に発足したのは、1924年10月15日、つまり、いまからちょうど50年前のことだった。さまざまな視線の波に洗われる以前の、シュルレアリスムの原初の言葉とはいかなるものであったのか―いや、それは何よりもまず、どのような集団の渇望を代表していたと言えるのだろうか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
茶器
2
「溶ける魚」が読みたくて借りた図書館本。巖谷國士訳で種村季弘、瀧口修造が寄稿している点で既に贅沢。どう読むべきかはわかりませんが、「映像作品(短編映画)にしてもらうならどれが良いだろう‥‥」と思いながら読了。19の「泉‥‥」か、14の「私の墓は門が閉ざされたあと、海をつきすすむ一隻の小舟の形になる。」がいいなぁ。装幀も美しい。2016/01/30
秋津
1
シュルレアリスム運動の中心となった人物が記した、書題のとおりの「宣言」の書。「あらかじめ主題をきめずに、記憶に残ったり読み返したくなったりしないほど、すばやく書くこと」によって理性や良識から離れて思考を書き取ろうとする試みについて著者本人の思想的来歴とともに紹介されています。「考える」ことから離れて生み出された、一見何の関連もないふわふわしたものが、実は自分の意識下の思考でつながっているのを「感じる」のは愉快な感じ。2014/06/19
でりら
0
言葉も装幀も美しい本なのだが如何せん理解に苦しむ。 考えるな、感じろ。2010/01/08
-
- 洋書
- Love, Janis