内容説明
フランス現代史に深い刻印を残した政治家の生涯を、一級の歴史家が描く。
目次
「バレス的な少年」
フランシスク勲章とロレーヌの十字架
永遠の大臣
アルジェリアの暴風
共和国の長衣をまとって
改宗者
四〇万票差で
勝利
社会主義との別れ
君主
偉大さを求めて
治世の終わり
著者等紹介
ヴィノック,ミシェル[ヴィノック,ミシェル] [Winock,Michel]
1937年パリ生まれ。歴史家。専門は近・現代フランス政治史、政治思想史。フランスにおけるナショナリズム、反ユダヤ主義、知識人の政治参加の代表的研究者の一人。ソルボンヌ大学卒、高等教員資格(アグレガシオン)取得。高校教員、パリ・ヴァンセンヌ大学助教授、パリ政治学院教授を経て、同名誉教授
大嶋厚[オオシマアツシ]
1955年東京生まれ。翻訳者。上智大学大学院博士前期課程修了。国際交流基金に勤務し、パリ日本文化会館設立に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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obanyan
6
ミッテランという政治家について全く知らなかったが、著者の絢爛豪華で勢いのある文体のおかげで、一つの小説を読むかのように一気に読むことができた。 読み終えた今、思うのは、ミッテランほど評価が難しい政治家はいないということ。ペタン元帥の協力者、対独レジスタンス、戦後は社会主義の政治家としてフランス社会党をけん引し、ドゴールに唯一対抗できる左派政治家として、第五共和制の批判を行うも、1981年に三度目の正直で大統領に就任すると、自らが批判した第五共和制という政体をフル活用し、あたかも君主のように君臨する。(続)2017/05/23
call
2
フランス最後の国父ともいわれるミッテランの伝記。彼は社会主義の大統領として手厚い社会保障政策を打ち出し、マーストリヒト条約に調印することで業績を残した。一方、彼の政治的立場はアンビバレントなものであり、一貫した主義信条を持つことはなく、権力に対しての渇望があるのみだったのではないかという疑いが残る。彼が偉大な政治家であったかについては著者が述べているように疑いを持つことが許されていると述べることができるだろう。フランス政治制度、政治史に私は疎く、すらすらと読むことはできなかった2016/12/18
TK39
1
反共主義の社会主義者とはフランスらしい気がします。 今度の大統領選挙は左派は勝ちそうにはないですが、右派、中道、左派とその時々の状況により、勝つ政党が異なるというのは日本とは違う。 ミッテランは独特の雰囲気を持っている大統領だった気がする。ミッテランが左派をまとめたこと、国有化を図ったこと、社会民主主義を推進したことなどは知らず。 ルノー日産の経営への関与、福祉、労働時間などフランスらしいと思うことは社会民社主義の政策、流れですね。今の大統領は左派だから当たり前ですが。2017/03/18