内容説明
非正規雇用の増大、それに伴う貧困層の拡大は、労働問題にとどまらず、「この国をどうするのか」「日本という共同体をどうするのか」という問題でもある。二〇〇八年末から二〇〇九年正月にかけて開設された「年越し派遣村」が、平和な茶の間に映像として届けたものとは、そういう問いかけであった。日本社会の先細りにSTOPをかけ、誰もが普通に働き、普通に家族を形成し、普通に生きていける社会にしていくために、今、何をしなければいけないのか?ともに「年越し派遣村」に取り組んだ湯浅誠氏と関根秀一郎氏が、貧困を生み出す「排除社会」の連鎖を断ち切るための道を探る。
目次
第1章 今、この国は―貧困の現場から(トータルな社会の形としての貧困;貧困を生み出す五重の排除 ほか)
第2章 日本人のDNAとして刷り込まれた自己責任論(椅子取りゲームに見る自己責任論の視点;法規制での縛りが必要 ほか)
第3章 “年越し派遣村”が問いかけたもの、残したもの(折込済みだった、野宿者との共同;本当にやるの? ほか)
第4章 Yes We Can「我々はできる」を信じて(登録型派遣を許してしまったところに問題が;“セーフティーネットお荷物論”をどう転換するか ほか)
著者等紹介
湯浅誠[ユアサマコト]
反貧困ネットワーク事務局長。NPO法人自立生活サポートセンター・もやい事務局長など。1969年東京生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程単位取得退学。1995年から野宿者(ホームレス)支援活動に取り組む
関根秀一郎[セキネシュウイチロウ]
派遣ユニオン書記長。1964年東京生まれ。中央大学付属高校卒、岩手大学中退。労働関係専門誌記者、東京ユニオン書記長、同執行委員長を経て、2005年に派遣ユニオン結成。非正規労働者の権利向上、生存権を守る活動に取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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