若松英輔エッセイ集 悲しみの秘義

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  • サイズ B6判/ページ数 160p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784904292655
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

悲しみを通じてしか見えてこないものが、
この世には存在する。
注目の批評家・若松英輔がたどりついた、
悲しみの奥深い力。

注目の批評家・若松英輔が日経新聞で連載した人気エッセイが一冊になりました。
ひがしちかの装画による、6種類のカバーと9種類の表紙。
あざやかな感情のうねりを表現した、心に沁みいく美しい一冊です。

プロフィール
若松英輔(わかまつ・えいすけ)
批評家。1968 年(昭和43年)新潟県生まれ。慶應義塾大学文学部仏文学科卒業。「越知保夫とその時代 求道の文学」で第14回三田文学新人賞受賞。
著書に『井筒俊彦 叡知の哲学』『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)、『魂にふれる 大震災と、生きている死者』『池田晶子 不滅の哲学』(トランスビュー)、『吉満義彦 詩と天使の形而上学』『内村鑑三をよむ』(岩波書店)、『涙のしずくに洗われて咲きいづるもの』(河出書房新社)、『生きる哲学』(文春新書)、『霊性の哲学』(角川選書)などがある。

内容説明

悲しみを通じてしか見えてこないものが、この世には存在する。涙は、必ずしも頬を伝うとは限らない。悲しみが極まったとき、涙は涸れることがある。深い悲しみのなか、勇気をふりしぼって生きている人は皆、見えない涙が胸を流れることを知っている。人生には悲しみを通じてしか開かない扉がある。悲しむ者は、新しい生の幕開けに立ち会っているのかもしれない。耳をすます、小さな声で勇気と希望に語りかける、二十五編のエッセイ。

目次

悲しみの秘義
見えないことの確かさ
低くて濃密な場所
底知れぬ「無知」
眠れない夜の対話
彼方の世界へ届く歌
勇気とは何か
原氏喜の小さな手帳
師について
覚悟の発見〔ほか〕

著者等紹介

若松英輔[ワカマツエイスケ]
批評家。1968年(昭和43年)新潟県生まれ。慶應義塾大学文学部仏文学科卒業。「越知保夫とその時代求道の文学」で第14回三田文学新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

やすらぎ🍀

191
一見すると希望にあふれる者も、自分の声が聞こえなくなり深く苦しんでいるかもしれない。黙すると静かに内なる詩人はこう語りかける。見えないから不確かなのではない。見えないからこそいっそう確かなのだ。地の果てから、空の彼方から、遠い過去から、ほのかな未来から夜の闇にこだまする無言のさけび。絶望の中で見いだした希望が一番の幸福となる。年の暮れからはじまりにかけて、光の当たらないところで悲しみに打ちひしがれる方は多い。眠れぬ夜に涸れた涙を拭い、活字の奥に隠れた書き手の創造と脱却の言葉を交わし、沈黙を探し続けている。2022/12/25

pino

129
疲れ目、動悸。本が読めない。手当たり次第に読むも数ページでリタイヤ。少しの言葉が横隔膜と心臓の間で響くだけ。周辺の色まで薄れゆくようだ。ただ表紙をながめバラバラ捲り感触を確かめる日々。積み上がる本。その一番上に本好きさんから頂いたこの一冊を置く。別れ。闘病。孤独。人々の心の奥底で生まれた言葉が紹介される。「私の心はなにも感じなくても、その奥に潜むもう一つの心はいつも世界の無音の声を聞いている」この言葉をよすがに今日まで来た。世の中に言葉が溢れはじめた。自分の内に共鳴できる心がまだ残っていたとは。歓喜! 2017/04/13

Gotoran

62
好みの若松英輔氏が著した25編のエッセイ集。”悲しみを通じてしか見えてこないものが、この世には存在する” 小さな声に耳をすます、小さな声で勇気と希望に語りかける。心に残る詩や言葉を引用しながら深く自分の心を掘り下げていく。文章に悲しみを乗り越えた人の優しさを感じることができる。悲しみや絶望、その中にこそ見出せる幸せや希望、生きている実感などに気付かせてもらえる。悲しみの中にいるとき、悲しみの外にいるとき、自分を見つめ直すために読みたい良書。2021/03/28

ジョンノレン

54
愛別離苦の核心に分け入り、孤独な自分自身を見つめる事で新たな地歩へ。著者自らの妻の闘病や死の経過も踏まえ、悲しみや故人との向き合い方をはじめ、目に見えないものへのアプローチを様々な作家、画家、詩人から古今・新古今まで繰り出して畳み掛けていく。石牟礼道子の「花の文をー寄るべなき魂の祈り」で示された一文を読者に2度音読を求めるので、早速音読のところ、最後に行き着く前に嗚咽、即2度目とはいけなかった。岸田劉生の孤独に関わる見解や須賀敦子の霧が印象的。漱石の「こころ」読み直したくなった。2023/12/06

trazom

44
悲しさ、清らかさに満ちた若松さんのエッセイのファンです。奥さんを亡くされてから5年が経っているが、若松さんの中の悲しみは消えない。自身の悲しみが深いからこそ、他人の悲しさがよくわかり、やさしくなれる。引用されている人たちがいい。フランクル、ソクラテス、井上洋治さん、ヨハネス・イッテン、ゲーテ、神谷美恵子さん・・・。強くて、そして、温かい。2017/03/13

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