日本人の動物観―変身譚の歴史

日本人の動物観―変身譚の歴史

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  • サイズ B6判/ページ数 329,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784904117279
  • Cコード C0039

内容説明

どんなに生活が欧米化し、どんなに我々がペットとともに暮らそうとも、我々の心の中には、日本人特有の動物観がしみついている。アニマル・セラピー、ペットロス、動物愛護、現代の動物問題に向きあうときにも大きなヒントを与えてくれる。ペットブームの今だからこそ、考えなければならない私たちの心のなかの動物観。

目次

序章 日本人とヨーロッパ人の動物観(『グリム童話集』における変身;『日本昔話記録』における変身)
第1章 神話の世界(トヨタマヒメ型の変身譚;オオモノヌシ型の変身譚 ほか)
第2章 仏教思想の浸透のなかで(ヘビとキツネ;死を媒介とした変身 ほか)
第3章 中世説話とお伽草子類(オオモノヌシの後裔;トヨタマヒメの系譜 ほか)
第4章 近世の怪異譚(キツネ・タヌキ・ネコ;オオカミ・カワウソ・クモその他 ほか)
第5章 古代・中世・近世の説話と現代の昔話(通婚と報恩を中心に;疎外と昇華を中心に ほか)

著者等紹介

中村禎里[ナカムラテイリ]
1932年東京都に生まれる。都立大学理学部卒。1967年から立正大学教養部勤務、講師、助教授、教授を経て、95年から仏教学部教授、02年から立正大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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邪馬台国

5
自分の中の雑な動物観をぬぐいたく読んでみた。内容は非常に興味深いのだけれどでてくる御伽噺や神話にほとんどあたったことがないので、読みこむにはやや能力不足。ちくまプリマー版の子ども向けの著書から入ろうかな。2019/12/25

志村真幸

1
 1984年に海鳴社から出たものの復刊。  日本とキリスト教圏では、動物観に大きな差異があることは、明治初期から知られていた。ただ、それらを実証的・歴史的にたどったのは、本書が最初期のものだろう。  日本神話の時代から始まり、仏教の伝来、中世説話と御伽草子、近世の怪異譚、そして現代の昔話まで、資料を丹念に調査することで「動物が人間に化けること」「人間が動物になること」の実態が明らかにされていく。  動物と人間の関係について知る上で、きわめて重要な一冊で、出版から40年近くたった現在でも価値を失っていない。2022/06/24

エリック

1
神話、説話、世間話などにみられる変身譚を時代ごとに解析。大陸や南方、仏教等の影響を受けながら変化していった各種動物の見方、距離感、舞台設定などを明らかにし、日本人の動物信仰や動物観の変遷を辿る。やっぱり日本は蛇の国なんだ。2015/08/09

さと

0
グリム童話と日本の昔話を基にした考察を出発点に、日本人の動物観を探るという、なかなかない視点。古典に詳しいと、もっと楽しめるのだろうなぁと思いながら読んだ。2021/01/15

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