生きるって人とつながることだ!―全盲ろうの東大教授・福島智の手触り人生

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  • サイズ B6判/ページ数 236p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784903773131
  • NDC分類 916
  • Cコード C0095

内容説明

溢れるユーモアと途切れることのない好奇心で、いま東大教授に。運命を使命に変えた男の軌跡。

目次

1章 明石の海が消え、潮騒が遠ざかっていった少年の日々(夕陽も、そして潮騒までも;季節は香りから ほか)
2章 心の“窓”が開いた中・高生の頃(私は“世界”を喪失した;沈丁花の香り、甘さ増して ほか)
3章 指点字で交信したSF的大学・大学院生時代(触れる;大学入試―トイレでの出会い ほか)
4章 結婚、そしてそれぞれの生活(結婚;新婚旅行 北海道―馬と牛に出会った旅 ほか)
5章 都立大から金沢大、そして東大へ(仕事;SFと現実 ほか)

著者等紹介

福島智[フクシマサトシ]
1962年、兵庫県生まれ。3歳で右目を、9歳で左目を失明。18歳で失聴し全盲ろうとなる。83年、東京都立大学(現・首都大学東京)人文学部合格。盲ろう者ではじめての大学進学者となる。92年、都立大学大学院博士課程単位取得満期退学。同年~94年まで、日本学術振興会特別研究員。96年4月、母令子とともに吉川英治文化賞受賞。同年10月、第33回点字毎日文化賞受賞。同年7~11月、都立大学人文学部助手。同年12月、金沢大学教育学部助教授(障害児教育講座所属)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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豆ぽち

28
誤解を恐れずに言えば、驚く程普通のエッセイだ。盲目ろうあ者の方が書かれたとは思えないほどに。ユーモアの合間から、人生に対する深い苦悩と考察が伺える。光も音も失った後の絶望感と孤独を思うと恐怖と同情を感じざるを得ないが、福島先生の軽快な文章がその気持ちを吹き飛ばしてくれる。確かに盲ろうという障害を受け入れるのは並大抵の精神力では追い付かないだろう。でもその状況を乗り越え、生きる力を絶やさない先生に同情の眼差しを向けるのは間違いだと気づく。「宇宙に放り出された感覚」という盲ろうの先生から教わる人生観は貴重だ。2015/04/25

けんとまん1007

22
福島先生のユーモアセンスが、とても強く感じられる。もちろん、そこに至るまでのこと、今、あることを想像することはできない。それでも、生きること、楽しむこと、トライすることなどを考えざるをえない。これまで、何度も「人という字はね・・・」と、耳にし目にしてきたが、福島先生の環境は、それ以上のものに支えられているのだと思う。ただ、それ以上に、先生ご自身も支える側でにあるということを感じた。だからこそ、この本のという形になったのだ。2015/10/11

小豆姫

9
全盲ろうの東大教授が書いた本というと、お堅く小難しいものを想像してしまうが、生来の楽天家である福島さんの人柄がにじみ出た文章はどこまでも明るい。絶望の淵から両手をいっぱいに伸ばし自力で関わろうとする前向きなパワーが、周りの人々を動かしいくつもの不可能を可能にしてきたのだ。自分の抱えてる悩みなんかあまりに小さくくだらなくて、福島さんならユーモアたっぷりに笑い飛ばしてくれるだろう。2017/10/07

おせきはん

9
盲ろう者として初めて大学を卒業し、現在は東京大学教授を務める著者が、19歳以降に執筆したエッセイ集です。後天的に視力と聴力を失いながら、明るさとユーモアを失わず、手と手を触れ合うコミュニケーションで社会とつながって「不便だけど不幸ではない」生活を送る著者の生きざまから、前を向いて生きる勇気をもらいました。2017/02/16

suite

8
かなり前にNHKで爆笑問題のお二人がやっている番組で初めて福島先生を見て、関心を持っていたのだが、ようやく彼の著作を読めた。映像で見た指文字の通訳の様子が、非常に心に残っていたのだ。やりたいことを明確に持ち、前進する強く明るいパワーに圧倒された。他の作品も奥さまの著作ももっと読んでみたい。機会があればお話も聞いてみたいな。さすがに授業は無理だろうが。2015/01/25

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