内容説明
「好悪」と「公平」とは、どこがどうなっているのだろう?ローティ「政治」思想の内在的で、すくなからず独倉的な解釈を提示し、その思想の批判的継承をつうじて、現代の情況に一個の希望/思想を投げいれる。
目次
第1部 ローティとともに―ローティ「政治」思想の究明(「哲学」批判から「政治」へ―「政治」思想的転回へといたる道;ローティ「政治」思想への導入―「人権」論を読み解く;アイロニーと連帯による「正義」―ローティのリベラリズムを読み抜く)
第2部 ローティをこえて―ローティ「正義」論の批判的継承(「残酷さ」について;ローティの挑発と社会的連帯再考;「『身近な他者』への共感」の隘路―ケア倫理をめぐって;共感の再配置―「距離」をこえて)
結語にかえて―欲望という名の倫理
著者等紹介
安部彰[アベアキラ]
1975年生まれ、奈良市出身。立命館大学大学院先端総合学術研究科一貫制博士課程修了博士(学術、2008年)。現在、総合地球環境学研究所プロジェクト研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
3
ローティの人権把握は勉強になる。人権は文化、実践を通じて形成される社会的構築物で、他者への受苦への共感の強化と拡張をして達成(19ページ)。人権は憲法で保障されているとすぐ思うが、根本的にはどうか、という問いにヒントを与える本。人権は共同性の形成に関わる公的言語ゲームの対象(56ページ)。ゲームは勝負事だから反発を覚える。勝ち負けの問題ではないだろう。負けた方にこそ必要なのだから。勝者も社会の一員であるから厄介なのだ。評者はE.デュルケームの機械的連帯から有機的連帯へを想起した。あとがきの抱負は楽しみだ。2013/01/18
PP&AP
0
終章の「共感の再配置」を読んでやっと本書を読む価値あったかなと思った、というか結論があっけなかったね。てゆうか、もうちょっとあの2013/11/07