排出する都市パリ―泥・ごみ・汚臭と疫病の時代

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  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784903487076
  • NDC分類 235
  • Cコード C0022

内容説明

中世から近世にかけての数百年間、パリの路上には人や動物の糞尿があふれ、腐った食品のくずが散乱し、セーヌ川には屠殺された牛や豚の臓物や血が途切れることなく流れ込んだ。うっかり道の端を歩こうものなら、頭上から容赦なく屎尿がぶちまけられた。街は悪臭に満ち、それは王宮にまで及んだ。ひとたび疫病が発生するや、あっという間にパリを席巻し、数千数万の人々の命を奪った―汚穢と汚臭に満ちていた時代のパリの生活空間を、第一次史料にもとづき、いきいきと再現。

目次

第1章 十二世紀から十六世紀まで(リュテスおよびパリという語の語源;十二世紀における街路および建物の様子 ほか)
第2章 十六世紀(一五一〇年から一五三〇年までの疫病;ペストに関する一五三一年の王令 ほか)
第3章 十七世紀(街路清掃についての過去の王令;サロモン・ド・コーと水汲み場 ほか)
第4章 十八世紀(街路清掃のためにとられた諸措置;窓から中味をあける夜の容器 ほか)

著者等紹介

フランクラン,アルフレッド[フランクラン,アルフレッド][Franklin,Alfred]
本名・Alfred‐Louis‐Auguste Franklin。1830~1917。パリのコレージュ・ブルボンを卒業。1856年からパリのマザラン図書館に勤めるかたわら歴史研究に従事。イタリア戦争、パリの各種図書館、カルヴァン、パリの地図・トポグラフィ、パリの街路、行商人、ソルボンヌ、同業組合、日常生活の諸相などに関する多数の歴史書を発表。1885年以降、館長。1882年にはコレージュ・ド・フランスで講義もおこなった。とくに、著書のうち『過去の私的生活』(全27巻)は有名で、この中にはアカデミー・フランセーズ、人文・政治アカデミーから賞を授与された巻があるし、『排出する都市パリ』は医学アカデミーから賞を授与された

高橋清徳[タカハシキヨノリ]
1941年生まれ。東北大学法学部卒業。専修大学法学部教授。西洋法制史・ヨーロッパ都市論・フランス環境法(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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takao

2
ふむ2022/07/11

ターさん

0
花の都と言えば、イタリアではフィレンツェ。フランスではパリである。30年程前に行ったのだが、実に美しい街並みだった。実はそのパリは中世から近世かけて、泥とゴミと汚物にまみれた街だったという。人々が街中を歩く時には、頭上と足元に注意しなければならなかった。頭上からは、「水に注意!」の言葉の後に糞尿がぶちまかれた。足元は泥水が流れブーツでしか歩くことができなかった。その状況は、19世紀半ばのオスマンのパリ大改造まで続く。書物から想像する臭いに圧倒された。今宵はこの臭いでワインをいただくことにしようかな。2020/02/12

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