内容説明
イギリス人としてエチオピアへの初めての旅行者となったジェイムズ・ブルースの『旅行記』と、それをめぐる啓蒙期イギリスの知識人社会のありようを丹念にたどり、“異界”理解の可能性と限界を問う。
目次
第1章 エチオピアを表象するということ(覚醒の舞台;この論考で使用した言葉に関して;エチオピアへの関心;リプリゼント(表象)するということ)
第2章 生還した男(ブルースの帰国と、アフリカと南太平洋への関心;ブルースの人生;旅の真偽;ジェントルマン旅行者とイギリスの中枢;ブルースの自己表象)
第3章 神話、伝承、移りゆく時の記憶(幸福の谷;アイティオペスの土地;聖書に語られたアイティオピア;変わらざる古代東方;「衰退し崩壊する」世界という言説)
終章 ブルースの表象とその読者たち(イギリスの啓蒙主義;ブルースによる表象と表現;ダーウィンとルナ・ソサエティの希望;コールリッジ、黙示録の世界へ;ヘンリー・ソールトと外交の舞台;旅するも者の望郷と死)
著者等紹介
高知尾仁[タカチオヒトシ]
1948年1月、東京生まれ。所属、東京外国語大学、アジア・アフリカ言語文化研究所、助教授。専攻、文化人類学、人類学精神史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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