内容説明
格差社会化の問題は、実は不自由の増大、したがって貧困の深刻化でもあるということである。格差社会化は、近代社会の証である自由・平等の理念にたいして、それとは正反対の不自由(貧困)と不平等(格差)という二つの問題を私たちに同時につきつけている。格差社会容認の格差社会論を斬る。
目次
第1章 格差社会を抉り出す視点と指針(格差社会シンドロームを診断する視点;現代日本の格差社会の二重構造 ほか)
第2章 現代日本の複合的・連動的な格差社会の構造(起点としての雇用格差とワーキングプアの増大;所得格差から消費・貯蓄格差への展開 ほか)
第3章 格差社会化の背景と格差容認のイデオロギー(グローバル化を背景にした現代日本の新自由主義レジーム;新自由主義レジームのなかの格差社会化 ほか)
第4章 羊頭狗肉のキャッチコピー「希望格差社会」論批判(山田製コピー「希望格差」の意味;限りなく新自由主義に接近する希望格差論 ほか)
第5章 現代日本の格差社会論の諸潮流(新自由主義的格差社会化への対決視点;格差固定化に絞った「不平等社会日本」説 ほか)
著者等紹介
二宮厚美[ニノミヤアツミ]
1947年生まれ。神戸大学人間発達環境学研究科教授。経済学、社会環境論専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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