内容説明
原発事故、放射線、有害輸入食品、食品添加物、カルト宗教、自然災害。危険に満ちた実社会に船出する前に、子供たちに教えておきたい、大人も知っておきたいリスクとの上手なつきあい方。そのリスクがどれぐらいの大きさなのかを見積もる。目の前にあるリスクにだけ目を奪われない。あるリスクを減らすことによって生じる代償を考える。「間違ったこわがり方」をしないために、この3点について考察。
目次
第1章 1966年の大虐殺―迷信・宗教を信じるリスク
第2章 こんにゃく入りカップゼリーの不名誉―新しいものを警戒する心理
第3章 韓国産ラーメンを食べるとがんになる?―こわい名前の化学物質、その正体は
第4章 中国産食品、買ってはいけない?―危険を大げさに煽る人々
第5章 暴走“ロリ男”は増えてない―アニメやゲームに対する偏見
第6章 1000年に一度の大災害―「めったに起きない」という錯覚
第7章 福島の野菜をじゃんじゃん食べよう!―小さすぎるリスクを恐れる必要はない
第8章 原発はこわい?こわくない?―リスクの計算が困難であること
著者等紹介
山本弘[ヤマモトヒロシ]
SF作家。1956年京都府生まれ。『去年はいい年になるだろう』(PHP)で第42回星雲賞(日本長編部門)を受賞。小説家として精力的に活動する一方、ノンフィクション作品も執筆(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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くさてる
18
生活する上で頭に入れておいた方がいい「リスク」という概念を分かりやすく丁寧に解説した内容。著者の他のニセ科学批判の本を読んでいたので、新たな発見という感じはなかったですが、健康に気をつけて生活したい人やお子さんを持った親御さんどにおすすめしたいです。ただ、厄介なのは、そういう理屈すべてを分かっていてそれでも自分が「安心したい」という気持ちを最優先させたいがために事実を無視したくなる気持ちなんだろうなと思います。でも、だからこそ、自分は何を無視しているのかは常に意識していたい、と思いました。2015/05/13
更紗姫
18
<1966年、丙午生まれを避けるために約10万人が堕胎された!> 確かに統計から読み取れる事実だが・・・ショック。<原発テロの可能性>と、放射線量過剰反応の事例(エピローグ)も印象的だった。これは決して「14歳向け」の本ではなく、「14歳を超えたら、自分で考え、よりリスクの低い方を選択できるようになれ」という内容。だけど24歳も44歳も、いや84歳であっても、なかなか難しいですよ、報道や世間の論調を鵜呑みにせず、自分で考えて判断するって。14歳位から思考訓練を繰り返せば、身に付くのだろうか?もう遅いかな?2015/03/26
フリスビー
17
目の前のリスクではなく、回避した場合も含めてトータルでより危険の少ない選択肢を取る。たとえそれが矛盾していても、100%の安全など有り得ない。1000年に一度の大災害は、80年生きていれば7.7%の確率で遭遇する。これは宝くじの7等(300円)が当たるのと大して変わらないなど、原典のデータで裏を取って説明しているので分かりやすい。親子で読みたい本。2017/02/19
りの
16
タイトルに惹かれて。子供向けなのだろうけど、専門用語や数値解説は結構難しい。「リスクに対する正しい感覚を持とう」。著者ほど自分でデータ分析することは難しいと思うけれど、報道や識者説明を鵜呑みにしてはいけない と思った。目の前の一点だけにとらわれてはいけない、総合的な判断が大切。2016/06/25
のし
16
リスクとはなにか。あらゆる視点から考えている。コンニャクゼリーから、原発。統計は面白かった。2015/08/09