内容説明
ハンセン病の研究と診療に半生を過ごした著者に、彼らは国から償いとして得た浄財を、アジアの人びとへの国際協力のために提供してくれた。著者は今インドネシアで活動している。人間愛のドキュメント。
目次
第1章 ハンセン病専門医をめざして
第2章 国際協力は自分が幸せになるために
第3章 ハンセン病という病気
第4章 京大と日本のハンセン病対策
第5章 ハンセン病の疫学的研究―流行地でのフィールドワーク
第6章 国家賠償請求訴訟―専門医たちの闘い
第7章 専門医の犯した誤ちを検証する
第8章 流行地での研究をめざして
著者等紹介
和泉眞藏[イズミシンゾウ]
1937年中国長春市生まれ。1963年大阪市立大学医学部卒。京都大学医学博士。国立多摩研究所(現国立感染症研究所ハンセン病研究センター)生体防御部長、国立療養所大島青松園外科医長を経て、独立行政法人国際協力機構のシニア海外ボランティアとしてインドネシア共和国アイルランガ大学熱帯病センターハンセン病研究室勤務。専攻はハンセン病医学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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荒野の狼
2
私は大学で微生物学の教育と研究に長年携わっているものです。本書はハンセン病が専門の和泉眞藏医師によるもので、著者の医師としてのハンセン病とのかかわりを臨床家・研究者としてのみならず、自らの不利益になりそうな状況にも関わらず、患者の側に立ち国を相手に闘った弁護側証人としての姿も書かれている。現在もハンセン病の口演活動などを続ける著者による本書は医師には勿論、ハンセン病の歴史・起炎菌について正しい知識を持ちたいという読者におすすめ。2018/12/06
りんふぁ
2
ハンセン病への見方が、光田派ばかりではなかったのに、やはり権力は怖いと思った。日本では間違った政策をし、偏見に苦しむ方を多く作ってしまったけど、医療技術として海外へ貢献できるのはありがたい。間違った認識をもう広めてほしくない。2014/06/28