いじめと現代社会 - 「暴力と憎悪」から「自由ときずな」へ

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  • サイズ B6判/ページ数 197p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784902465105
  • NDC分類 371.45
  • Cコード C0036

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

10
内藤いじめ学の「応用編」。学校という場を離れこの社会に普遍的な、いじめという暴力のメカニズムを批判、真のリベラリストの旗を建てようとしているパッション溢れた一冊。これを読むより先に内藤朝雄の他の本を読んだ方がいいが、ありとあらゆる小さなファシズムに反抗し、生態学的レベルでの改革を主張する姿勢は雄弁で分かりやすい。これも現代の平坦な戦場を生きる少年少女たちへの立派な武器である。本田、宮台との両対談が優れた分析と処方箋を提示していてオススメ2012/07/09

きいち

5
右でも左でもなく、「前」としてのリベラルな世の中を考えようという一冊。いじめ研究での課題感を社会全体にぶつけていく。当事者だからこそ、短絡的な結論に走らず、宙吊り状態にとどまり続ける「タフさ」を持って。問題は、石原慎太郎的なものに身を委ねようとする未熟な大人たちをどうこちらに持ってこれるか、か。楽さよりも、楽しさを。我々の仕事だ。2012/11/18

那由田 忠

3
 基本的には共生の方向で、若者の感情も大きく壊れない形で日本社会が動いている(殺人も強姦も減少)という認識に立つ。近代化が進む中で共同体が崩壊し、従来の人々のつながりや常識がなくなっていく。その流れの中で欠けた部分を補わねばならないが、日本はルールを守ればOKのあり方や超越神の下でのまとまりもできない。天皇も機能せず、企業の共同体もなくなった。答は明確に出てこないが、従来の左翼と右翼による論点抱き合わせで、結果として人権が軽視されてきたという現状認識に同意する。言葉をもっと易しくすれば影響力が増すのに。2013/11/04

ヒルデ

2
「リベラルな社会」とはどういうものかという説明がぼんやりしすぎ。既存の制度を破壊するばかりで何を目指しているのかわからない。学級制度の廃止にしても女子の仲良しグループの非流動性を知らなさすぎるし、きっと問題の本質もわかっていないんだろう。あと腐女子の使い方間違ってるわ2012/10/14

何だか

1
女子柔道選手による指導者の告発を見たり、また、これから会社勤めを始めるにあたって、閉鎖空間での上位者から下位者への圧迫について考えることが多いのだが、この本は一つの視点を与えてくれた。大人の社会よりも学校での子供たちのいじめの方が状況がシンプルで捉えやすいのでいじめを研究し始めたという著者の知見は、単に教育問題だけでなく、社会の様々な場面に当てはめられる。だから図書館で教育学の棚じゃなくて社会科学一般の棚に置いてもいいんじゃないかな。あと結構過激な物言いが、普段余りこういう文章に触れないもんで新鮮だった。2013/02/08

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