青線―売春の記憶を刻む旅

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  • サイズ B6判/ページ数 319p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784902307634
  • NDC分類 384.9
  • Cコード C0095

出版社内容情報

消えゆく日本の風景… 全国の青線エリアを訪ねた、記録的な一冊。

内容説明

日本には消された風景があった!青線エリアの“果て”をたどった、記録的な一冊。かつて各地に存在し、非合法の売春が行われていた場所・青線。“性”の残り香を求め、10年以上かけて現場を歩いた著者が、日本の裏面史を描き出す!

目次

大都会の日陰谷底から見える東京の歩み―東京
パンパンの街へと変貌した農村地帯―山形県神町
女は罪と業を背負い十五年の逃亡を続けた―福田和子
水運と売春さびれた生業と島の過去―渡鹿野島・京都
日本文化の根っこにある被差別と売春―大阪
江戸から明治へ消えゆく娼窟文化と生きた女―阿部定と江戸~東京
タイスナックと飯盛女―佐久・木崎・新潟
時代に溶けゆく北の性産業―札幌・函館
青線の忘れ形見を老婆に見た―北九州
戦後の原風景を感じる南国の色街―沖縄
売春シルクロードが伝える産業と女の近代史―埼玉・群馬・横浜

著者等紹介

八木澤高明[ヤギサワタカアキ]
1972年神奈川県生まれ。写真週刊誌『フライデー』カメラマンを経て、2004年よりフリーランス。『マオキッズ―毛沢東のこどもたちを巡る旅』(小学館)で2012年、第19回小学館ノンフィクション大賞優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

スパシーバ@日日是決戦

109
{2015年} 「売春は人類にとって最古の職業」。「青線」とは非合法な売春地帯のこと(お上の目を欺くため料理屋やバーを装う)、「赤線」とは売春禁止法(1958年)が施行されるまで売春が認められていた地区。現在表向きは売春は法律で禁止されたことにより、ソープランドを除いて日本における売春地帯はすべて青線となった。唯一売春街として生き延びているのが大阪「飛田新地」。ある産業が栄え労働者が集まり、そこには男たちの性欲を満たすための青線が次々に生まれるも、撤退後は人が去り寂れてゆく地方都市。2015/12/16

fwhd8325

25
不謹慎を承知で言うけれど、子供の頃育った街にも青線があり、かなり最近までその名残があったように記憶している。ここに登場するような遣り手婆の姿も確かにいた。そして、こうした世界はある意味で必要な文化だったんじゃないかと思う。社会を俯瞰で見たときに、一定の秩序が成立していたように思う。そして、何よりもここには、男と女の駆け引き、情緒を味わうそんな学び場でもあったように思うのです。2016/07/07

今庄和恵@マチカドホケン室/コネクトロン

5
テーマはいいのに相変わらず写真が残念。赤線も青線も消えゆくものに対するノスタルジーでしょうね。現役だったらソープランド街と同じくただの悪所でしかない。「吉原だけでは、江戸の男たちの性欲を捌き切れるわけはなく」という一文に、男の性欲ってのはなんで満足させるってことが前提なのだ、という最近目にしたツイートが思い出された。売春婦は最古の職業、という黄門さまの印籠、つまりは性欲が生殖から切り離されてそれが貨幣経済にのっかった時にできあがったシステムでしょうに。女が好きでやってるみたいに言うな。2016/03/07

ひとまろ

4
色街を行脚するっていうテーマがおもしろい。2016/01/30

どすきん

2
途中から福田和子や阿部定、大久保清の話題になり、そういう括りもアリかなと思う一方、「赤線とは違うのだよ、赤線とは」が見えにくかったかな。2017/10/12

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