内容説明
明治国家の検閲制度は、近代日本の文学表現が生み出した私的空間をどのようにとらえたのか。検閲制度のもとで、作家たちは何を考え、どのように行動したのか。対決と妥協のドラマの諸相をたどる稀有の研究。村上春樹の小説の翻訳者としても知られるジェイ・ルービン氏の日本文学研究の主著。
目次
第1部 より単純な時代(法;伝統的風刺と旧態依然の駄作;写実主義の発達―検閲官が注目を開始する)
第2部 日露戦争後(自然主義の発生;出版における自然主義の拡大;文学と人生、芸術と国家;政府の右傾化;成熟した制度下の活動)
第3部 大逆事件とその後(森鴎外と平出修…大逆事件の内幕;他の文学者の反応;完全な膠着状態―文芸委員会)
第4部 国家的動員に向けて(概観・明治以降における思想統制と検閲;大正時代の谷崎;昭和の出版ブームと文芸懇話会;軍部と特高警察に引き継がれて)
著者等紹介
ルービン,ジェイ[ルービン,ジェイ][Rubin,Jay]
1941年、ワシントンD・Cに生まれる。シカゴ大学で日本文学を学び、1970年、国木田独歩の研究で学位を取得。ワシントン大学、ハーバード大学で日本文学を講じる。現在、ハーバード大学名誉教授。夏目漱石や村上春樹の英語圏への翻訳家としても活躍。著書に、2003年、村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』の翻訳によって、第一四回野間文芸翻訳賞受賞
今井泰子[イマイヤスコ]
1933年生まれ。静岡県立大学名誉教授。2009年没
大木俊夫[オオキトシオ]
1936年生まれ。浜松医科大学名誉教授
木股知史[キマタサトシ]
1951年生まれ。甲南大学文学部教授
河野賢司[コウノケンジ]
1959年生まれ。九州産業大学国際文化学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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メルセ・ひすい
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