内容説明
耳を傾けること、耳を傾け続けること、耳を傾き継ぎ続けること、当事者性の身体化へ。
目次
1 沖縄戦を学びなおす(戦後世代が沖縄戦の当事者となる試み―沖縄戦地域史研究の変遷、「集団自決」、「強制的集団自殺」;ガマが想起する沖縄戦の記憶;沖縄戦における兵士と住民―防衛隊員、少年護郷隊、住民虐殺;仲間内の語りが排除するもの;質疑応答の喚起力―文富軾氏の講演について;戦没者の追悼と“平和の礎”;追悼する地域の意思―沖縄から;殺されたくないし、殺したくない―沖縄の反戦運動の根;歴史を眼差す位置―「命どぅ宝」という発見)
2 米軍占領史を学びなおす(重層する戦場と占領と復興;「国境」の顕現―沖縄与那国の密貿易終息の背景;米軍統治下における沖縄の高度経済成長―二つの対位的物語;越境する沖縄―アメリカニズムと文化変容)
著者等紹介
屋嘉比収[ヤカビオサム]
1957年生。九州大学大学院比較社会文化研究科日本社会文化専攻博士後期課程単位取得退学。現在、沖縄大学法経学部法経学科准教授(日本近現代思想史・沖縄学)、季刊『けーし風』編集委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hiroki Nishizumi
3
戦争、そして占領地には悲劇しかないと改めて感じる。2020/11/05
Mariko
3
沖縄FWの予習。 沖縄戦に関して主に取り上げられているが、戦後世代の戦争の歴史を見つめなおすための態度まで述べられており、勉強になった。2017/01/31
えんさん(연싼)@読書メーター
3
沖縄が受けてきた暴力ー沖縄戦や米軍基地占領下ーをいかに記憶するか。それは単に「悲劇」としてとらえるのではない。当時、生きる為に行ってきたこと(戦争協力や基地で働くこと)をいかに語り、そして変えるために継承していくべきか。「戦争が近づいている」と叫ばれている今日、本書は過去の経験を活かすための視点を言語化していく必要性を訴えている。2016/02/25
makoppe
1
「記憶をいかに継承するか」。これがこの本のサブタイトルである。著者は沖縄の持つ記憶をただの被害者としては描かない。被害者でも加害者でもある沖縄の記憶を見つめ、沖縄戦と米軍占領が何だったのかを現在のために考えるのだ。これこそ私たちがすべき「過去から学ぶ」という作業なのではないか!立憲主義冒涜の憲法解釈、止まらない辺野古の基地建設、戦争体験者の高齢化などの困難な状況のいまこそ、このような思考が求められている。過去は変えられないが、そこから学ぶことでより良い未来を創ることは可能なのだから。2015/06/19
Y_Kuroyanagi
0
20120531ー201405262014/05/26