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愛知大学文學会叢書
「心理学化する社会」の臨床社会学

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  • サイズ B6判/ページ数 386p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784902163001
  • NDC分類 361
  • Cコード C3036

内容説明

社会の脱制度化や再帰化が進行し、伝統や価値、規範に代わって“心理学的言説”や“技術”がわれわれを支配し始めている。―一社会のすべての成員が周辺化し、排除されていく現代社会の危機を読み解く。

目次

カルチュラル・スタディーズ/臨床社会学(言語の成立に関わる「否定」の作用と他者について;若者たちのポストモダン的共同性;テレビと若者たちのコミュニケーション ほか)
宗教の心理学化(自己啓発セミナーの困難;自己啓発セミナーと『エヴァンゲリオン』;「社会の心理学化」と臨床社会学 ほか)
ジェンダーと精神分析(『源氏物語』における女性性について;新宗教の女性教祖と日本近代国家)

著者等紹介

樫村愛子[カシムラアイコ]
京都生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科社会学専攻博士課程満期退学。現在愛知大学文学部社会学科助教授。ラカン派協会理事。専門はラカン派精神分析の枠組みによる現代社会分析・文化分析
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たばかる

20
臨床社会学・ラカン派社会学の名のもとに2000年初頭の宗教やサブカル、若者の精神構造を社会的な要素を踏まえて分析する。繰り返し主題になるのは、ギデンズを参照にした、帰属先の消失とそれによる自明性の危機である。新自由主義的な競争原理から回避し共同性を確認するための中身のない対話が若者のうちで行われる。原理に適応しようとして不全になる大人は、自己の感情をコントロールしようとニューエイジ的なものに惹かれる。云々。テーマもさることながら多くの参照点・引用を持つので、出版当時の学術的な分析の様子を窺える。2021/04/05

ひつまぶし

2
斎藤環『心理学化する社会』のタイトルはこの本から取ったらしいが、中身は論文や評論の寄せ集めだった。また、何が臨床社会学なのかさっぱり分からなかった。フランスで暮らしていた自分が日本社会を理解するのに手こずった云々が書かれている「はじめに」の後半は、著者の立場に疑問を抱かせるだけなので、あとがきに入れた方がよかった。臨床社会学にかかわるのであろう著者の素朴な治療的立場についてはもっと説明が必要。社会診断の正当性の根拠を精神分析の領域に預けて、批判者としての自分の立場を特権化してしまっている印象を受けた。2023/05/06

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