目次
第1章 私小説という哲学―川崎長太郎を例として
第2章 「死」の発見―私小説の逆説について
第3章 「末期の眼」に映るもの(末期の眼―芥川龍之介の世界;斥けられた自然―川端康成の世界)
第4章 「死」からふり返る(自然の中の「死」―梅崎春生の世界;労働の中の「死」―椎名麟三の世界;戦略としての私小説―島尾敏雄『死の棘』の世界)
第5章 「死」を越えて―(徳田秋声の晩年―「私」を超えるもの;夏目漱石が探り当てたもの―総毛立つ実存)
第6章 『死霊』―負の弁証法
著者等紹介
岡庭昇[オカニワノボル]
1942年生まれ。文芸批評家。慶應義塾大学経済学部卒業。日本近代批判を軸に、文学研究、メディア批評、社会批評等、さまざまな領域にわたる執筆活動を展開。1980年から1993年まで批評誌「同時代批評」編集長。またTBSテレビディレクターとして、食品・環境汚染、原発、寄せ場、外国人労働者、在日、移民などをテーマにした先鋭なテレビドキュメントを制作した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ja^2
4
哲学を名乗る時、どうしてこうも難しいことを難しく語らなければならないのだろう。もっと平易な言葉で表現できないものだろうか。▼まだ前半の三章までは題材としている小説が私も読んだことのある川崎長太郎のそれだったり、芥川だったり、川端康成だったりするので、まだ多少なりとも理解できた。しかし四章以降の後半となると、漱石以外は未読の作家の作品ばかりが取り上げられ、テーマもより哲学的になり全くもって理解不能だった。▼何れにせよ、私小説の永遠のテーマは死であり、死は生であり、生は性であるということくらいは理解した。2018/09/01
fantamys
0
主に戦後文学を中心とした作者的「私小説」分析。2012/12/31