内容説明
本研究は政府部門の資源制約が顕在化した1980年代から2000年までの期間を対象として、わが国の社会福祉供給体制に生じた変化の要因を資源配分の観点から検討したものである。この変化は、わが国の社会福祉にとって根本的なものであり、多様なアプローチからの検討が求められる歴史的な重要性を持っているが、その解明に一定の貢献ができたと考えている。一方、社会的ニーズとそれを充足するための社会的機構が持つ機能を明らかにし、さらには可能な代替案の成立条件の検討を課題とする社会福祉政策研究において、社会的ニーズを中心とする分析と、福祉サービスの供給を中心とする分析の両者を結合する枠組みとして、資源配分における割当(ラショニング)の概念の意義を検討することも目的の一つとした。
目次
第1章 資源制約下の社会福祉供給
第2章 社会福祉供給制度の枠組み
第3章 国家財政の長期動向と社会保障
第4章 意思決定理論と社会保障予算
第5章 国家財政の社会福祉への配分
第6章 国から地方自治体への配分
第7章 地方自治体間での配分
第8章 地方自治体内部での配分と社会福祉計画
第9章 社会福祉の有料化と社会福祉概念の変容
第10章 福祉供給体制の変化をめぐって
あとがき 個人的メモワール
著者等紹介
坂田周一[サカタシュウイチ]
1950年熊本県生まれ、1979年立正大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程修了、日本社会事業大学助教授、ワシントン大学客員教授、駒沢大学教授を経て、現在、立教大学教授、コミュニティ福祉学部長兼研究科委員長、博士(社会福祉学)
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