福祉社会と社会保障改革―ベーシック・インカム構想の新地平

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  • サイズ B6判/ページ数 195p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784901793049
  • NDC分類 364
  • Cコード C1036

内容説明

本書の特徴は二つ。一つは、戦後「福祉国家」下の社会保障制度の揺らぎの意味を、世界的に進行する家族ならびに労働のあり方の変化という基礎構造の変化から捉えると同時に、日本においては「企業中心社会」的特徴をもっている社会経済システムならびに社会保障制度が機能しなくなっているという視点から捉えている点。もう一つは、ベーシック・インカム構想というヨーロッパを中心に大きな関心を呼びながら日本ではまだ研究が緒についたばかりの議論を展開していることである。

目次

1 企業中心社会と社会保障改革(いま何故、社会保障改革か;国民負担から見た社会保障改革)
2 ベーシック・インカム構想と福祉社会の展望(ベーシック・インカム構想の新展開;労働の変容と所得保障;日本におけるベーシック・インカムの可能性)

著者等紹介

小沢修司[オザワシュウジ]
1952年大阪に生まれる。1982年京都大学大学院経済学研究科博士後期課程学修退学。同年京都府立大学女子短期大学部講師、助教授を経て、1997年京都府立大学福祉社会学部教授、現在に至る。専攻は生活経済学、福祉財政論
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

WK

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これと2000年の論文が日本のBI論の原点。 社会保障改革の必要性に始まり、BI略歴、ワークフェアとの比較、オランダモデルの紹介、例の八万円試算。 国内の議論での小沢センセの登場の仕方はやはり例の八万円について。政策目的として云々という話で行こうとしている身からすれば、むしろ先生がオランダモデルに言及しているところに注目。 ……とか言っている場合でもない。卒論。卒論。2015/11/20

Jey.P.

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前半は日本の社会保障批判でBI論は後半から。様々なBIのバリエーションを比較検討したり、日本における財政的な試算を行っているのが特徴的。試算は非常にラフなのでそこをもっと掘り下げて欲しかった。2013/06/11

ミツキ

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10年ほど前の本だが、これからの福祉社会を考えるうえでも特に参考になる本。社会保障改革については90年代からその動きがあり、先見の明がある報告書も見られたが依然として改革がいい方向へ進んでいるとは思えないのが現状である。ベーシック・インカムに関してはアンドレ・ゴルツの提言が非常に興味深い。2013/06/06

check09

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全体を把握するために、再読。この本には図・表・引用が多く、何かを丁寧に証明するように書かれている部分もあれば、定量的な議論をしているところもあって、1度ではつかみにくかった。感想は、前と変わらない。2010/06/10

check09

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この本では現在の社会保障制度の問題点が詳しく説明され、代替案としてベーシックインカムが提示されている。半分以上のページを現行の制度の批判に割いており、ベーシックインカムについては関心を引くように概説する程度で、概念の説明と、類似概念(参加所得、負の所得税)との比較、コストの概算はされているが、その問題点についてはあまり検討されていない。細々とした記述でないため、読みやすいとは言えるが、ベーシックインカムについて知りたかったので少し物足りなかった。2010/06/09

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