内容説明
炎に焼かれ、奇跡的に生還した新宿西口バス放火事件から29年、さまざまな困難を乗り越え、レビー小体型認知症の夫を看取った私に、癌の宣告が下される。かくも過酷な運命を生きること、そして死んでゆくことの意味とは、いったい何なのか。第3回池田晶子記念わたくし、つまりNobody賞特別賞受賞。
目次
第1章 宣告(二十九年目の宣告;新宿西口バス放火事件;いつも二人で;余命と向きあう;生をくれた医師 ほか)
第2章 追憶(レビー小体型認知症;「言葉」のよろこび;「書いてごらん」;三人家族のHAPPY LIFE;モクの死まで ほか)
第3章 託す(この一瞬のために;支え合うということ;十二歳の少女の感想文;習作を重ねる;母はしあわせだったろうか ほか)
終章 最期の晩餐(いのちの締め切り;駆けつけてくれた記者;出版の師;三人の恩人と)
著者等紹介
杉原美津子[スギハラミツコ]
1944年、愛媛県生まれ。作家・編集者。1980年、新宿西口バス放火事件に遭遇したのをきっかけに執筆を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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pom
4
酒井順子「本が多すぎる」で紹介されていたので手にとるが、私には合わなかった。ドラマチックな語り口とか。2016/07/02
OHモリ
0
●1980年新宿バス放火事件に巻き込まれて負った全身大火傷から奇跡の生還したことをきっかけに作家になった作者。その後、レビー小体病になった夫を介護の末看取ったと思ったら2009年7月今度はまた自身に肝臓がんの宣告・・・ ●実際に亡くなったのは2014年暮れだけど、本の発行は2010年4月、がん宣告から死の準備をしている半年くらいの間に書かれた本と言うことになる。 〇「死もまた、人生を卒業していく祝福するべき終焉の時であっていい」「死の意味が絶望から、残された時間を精一杯に生きる、自分への最後の挑戦」 2015/08/09
わかめ
0
生きること、、愛すること、死ぬこと。壮絶な人生の中で、作者が胸に刻んできた様々な思い。人は優しく強くなれるのだ。どんな人生でも、最後に人は優しさを残して逝けるのだ。言葉の一つ一つが胸を打ちます。2010/06/19