無痛文明論

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無痛文明論

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  • サイズ A5判/ページ数 451p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784901510189
  • NDC分類 114
  • Cコード C1036

出版社内容情報


快を求め、苦しみを避ける方向へと突き進む現代文明。その流れのなかに、われわれはどうしようもなく飲み込まれ、快と引き替えに「生きる意味」を見失い、死につつ生きる化石の生を送るしかなくなるのではないだろうか・・・。
現代文明と人間の欲望をとことんまで突き詰めて描いた超問題作!

第一章 無痛文明とは何か
無痛文明/人間の「自己家畜化」/身体の欲望/「生命のよろこび」とは何か/「無痛文明」への進化/無痛文明の中の人間/無痛文明論の語り方

第二章 無痛文明における愛の条件
「生命の品質管理学」の登場/選択的中絶と条件付の愛/「条件付ではない愛」とは何か/無痛文明における愛/セックスと自傷行為/無痛文明の二つの戦略

第三章 無痛奔流
大きな渦の中で/刃物は誰に向かって突き出されているか/無痛文明からの様々な攻撃のかたち/「身体の欲望」と「生命の力」の戦い/自縄自縛の三つの次元/敵はどこにいるのか

第四章 暗闇の中での自己解体
私を起点として/社会レベルにおける自縄自縛の解体/共犯関係的支配を解きほぐす/アイデンティティと中心軸/私自身の場合/「出会い」の意味論/果てしなきプロセスとしての愛/絶対孤独ということ

第五章 身体の欲望から生命の欲望へ
「身体の欲望」と「生命の欲望」/苦しみをくぐり抜けること/エロス的な交わりのために/領土拡大に抗して/捕食の連鎖/出世前診断を例に考える/身体・生命・知の三元論/無痛文明を解体し尽くすために

第六章 自然化する

 現代社会は、いま、「無痛文明」とういう病理にのみ込まれようとしているのではないだろうか。快にまみれた不安のなかで、よろこびを見失った反復の中で、どこまで行っても出口のない迷路の中で、それでもなお人生を悔いなく生き切りたいと心のどこかでおもっている人々に、私はこの本を届けたいと思う。
 第一章から第六章までは、一九九八年から二〇〇〇年まで雑誌に掲載されたものを、原型をとどめないくらい書き直したものである。この連載は、思想に関心を持つ人々のあいだで大きな反響を呼んだ。
 その後、結論部分に当たる第七章と第八章を、本書のために書き下ろした。第八章において、「無痛文明」の秘密が、最終的に解き明かされる。
 現代社会のなかで、真綿に包まれるような漠然とした不安を覚えるとき、われわれは直感的に「無痛文明」の存在を感じ取っているのかもしれない。この本は、読者が一度は感じたことのあるあろうそのような感覚に、言葉を与えようとする試みなのである。(「はじめに」より)

内容説明

一度手に入れたものは決して放すまいとする「身体の欲望」が、回生する「生命のよろこび」を食い尽くす過程を、愛と性、教育、自然、誕生と死、資本主義などの領域にわたってダイナミックに論じ、現代思想の新たな領域を切り拓いた、森岡“生命学”の代表作。

目次

第1章 無痛文明とは何か
第2章 無痛文明における愛の条件
第3章 無痛奔流
第4章 暗闇のなかでの自己解体
第5章 身体の欲望から生命の欲望へ
第6章 自然化するテクノロジーの罠
第7章 「私の死」と無痛文明
第8章 自己治癒する無痛文明

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Arowana

13
誰でもこの強烈無比な一撃に嫌でも目が覚めることだろう。現代思想の入門篇としては必読分野ではないか。SFとしても読ませる。あえて、内容について多くを語ることはしないけれど、こういった感受性を受け入れられそうな方ならば、ぜひとも一読をお薦めしたいところ。2015/05/09

kanaoka 56

9
著者が無痛文明に戦士として挑む宣戦の書、渾身の作。 自らを取り巻く世界に対し内外的な挑戦を続ける。快と不快への反応や私の利害という閉じた身体の欲望に束縛されず、よりダイナミックで開かれた変化・適応という生命の欲望に生きる意味を求める。オートポイエティックな生命の本質である。それは、種の殆どが壊滅に至る事態(パンデミック、環境激変等)において、極めて限られた者のみが次世代へ生き延びていく形で、発揮されるような生命の力だろう。そのとき、次世代に連なる姿では「私」という機能(道具)は放棄されているかもしれない。2017/11/20

LS

7
衝撃の一冊だったのだが、うまく説明できない。「無痛文明が巧妙に正当化され、継続していく事に疑問を持たずに生きてる事にちゃんと向き合わないといけないなぁ(せんべいぽりぽり)」などと、結局安寧の中で思考停止し、無痛文明に取り込まれてしまう。どこまでもメタ的に自己批判を繰り返し続け、己を省みるということ。2016/07/20

へっぽこガエル

7
読んでからしばらく経つが、未だにこの本を自分の中でカテゴライズできていない。おそらく、文章があまりも衝撃的過ぎたためだろう。評論家の宮崎哲弥は、本書を「正気と狂気の狭間をゆく文章」と評したそうだが、まさに言いえて妙だと思う。基本的には哲学的な思索が続くのだが、一部にはほとんど宗教的とさえ思えるような記述が出てくる。それでも最後まで食い入るように読んだのは、自分自身もまさに森岡の言う「無痛文明」に取り込まれているという確信があったためだ。今はまだこのようなかたちでしか本書を語ることができない。2013/03/10

マイ

5
これは、なんというか、愛と狂気のエクトプラズムとでも申しましょうか。 死への恐怖をエネルギーに考えて考えて、考えすぎた高度な思考をそのまま吐き出したらこうなった、って感じでしょうか。 狂気感半端ない。気持ちは分かる、構築した世界観を吐き出したくなる気持ちはよくわかる。でもそれが自分の中だけの妄想で終わるのが一般人、論文にしちゃうのが哲学家。すみません、ついていけません!2014/02/14

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