内容説明
バタイユ、ブランショ、ナンシーが投げかけた共同体の(不)可能性への問いを、アガンベンは再定礎する。古代から現代まで、哲学から文学までを縦走横断し、存在と倫理、単独者と救済などの諸関門を経巡って、問いは深められていく。アガンベンの政治哲学の鍵となる代表作、ついに翻訳なる。
目次
なんであれかまわないもの
リンボから
見本
生起
個体化の原理
くつろぎ
マネリエス
悪魔的なもの
バートルビー
取り返しがつかないもの
倫理
ディム・ストッキング
光背
偽名
階級のない社会
外
同名異義語
シェキナー
天安門
取り返しがつかないもの
著者等紹介
アガンベン,ジョルジョ[アガンベン,ジョルジョ][Agamben,Giorgio]
1942年ローマ生まれ。イタリアの哲学者
上村忠男[ウエムラタダオ]
1941年兵庫県生まれ。思想史家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nonfiction
1
「何ものかをただ単純に、それが存在しているままに見ること。つまりは、取り返しのつきようもなく、しかしまただからといって必然的ではない仕方で存在しているとともに、そんなふうに、しかしまただからといって偶然的ではない仕方で存在しているままに見ること。――これが愛である」2017/01/02
manabu
1
書いてあることの是非を判断する方法が想像できないほど難解だったけど、薄いから最後まで読んだ。天安門を引き合いに、外からアイデンティティで括れない人達が徒党を組むのを政府は最も敵視する、というのは新鮮。でもあかんわ、ピンとこーへん。2014/09/01
またの名
1
なんと言うかキュートな作りの一面レモン色がすごくイイし、内容も面白い。「なんであれかまわない」という単独性、集合論のパラドクスに抗う「見本」、誘惑されるがままの無力な悪魔、無能力と可能態、可能態であるが故の人間の負債、同名異義語としてのイデア、スペクタクル化が奪う言語活動、国家と単独者との闘争を予示する天安門事件、「そんなふうにある世界」。書かれていることはどれも魅力的なのに、その断片的秘教的文体から何かを抜き出そうとするとこんなにも困難なのはなぜなんだろう。ほとんど詩か経典のような美学的感覚。 2013/05/29
terupoterupo
0
装丁がかっこいい。ほかの哲学書もこれぐらいの大きさとかっこいい装丁だったら読みたくなる。2012/12/03