内容説明
「国に期待せず、民の知恵と努力で自衛する」。もはやこれしかない。第1章では日本の医療の将来像と現実のギャップを俯瞰し、第2章では、旧自公政権時代の官僚主導の医療改革が、しがらみに縛られ肝心要の「患者の視点」がいかに欠如していたかを明らかにする。第3章では政権交代に期待した「政治主導」の新成長戦略もいかに危ういものだったかを看破し、第4章で私の空しい訴えかもしれないが、「国民皆保険はまだ守れる!」との希望を込め、東日本大震災の復興計画を織り込んだ医療・介護の将来像を描いた。
目次
第1章 日本の医療が危ない―増幅する医療不信(はたして医療はサービス業か;どうして「たらい回し」がなくならないのか ほか)
第2章 どうして医療改革は進まないのか―官僚は臨床現場がわからない(官僚への丸投げが続く医療改革;“粛清”ばかりでよいのか介護ビジネス ほか)
第3章 政権交代でわか国の医療はよくなったのか―口先だけの政治主導(マニフェスト選挙の虚と実;迷走する後期高齢者医療制度の現状と課題 ほか)
第4章 日本の医療はどうしたらよいのか―抜本改革などありえない(医療は新成長産業となるか;本当に日本の医療は「世界一」なのか ほか)
著者等紹介
川渕孝一[カワブチコウイチ]
東京医科歯科大学大学院教授。1959年富山県出身。一橋大学商学部卒業。シカゴ大学経営大学院修士課程修了(MBA取得)。民間病院・企業勤務後、旧厚生省国立医療・病院管理研究所、日本福祉大学経済学部教授、日本医師会総合政策研究機構主席研究員、経済産業研究所ファカルティフェローなどを経て現職。専門は医療経済学、医療政策、医業経営。「医療の見える化」を切り口に消費者の視点に立った医療制度改革を提言する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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