内容説明
世間を騒がせた「一七歳」「一四歳」、そして最近は「一二歳」と子どもたちの引き起こす事件が止まらない。いったい何が彼らを駆り立てているのだろう?「普通の家」の「普通の子ども」が、ある日突然、「キレる」「いじめる」「こもる」のだろうか?それとも、事件を起こす子どもに精神的な疾患があるのだろうか?社会が大きく様変わりしているのに、この先どこに向かっていくのかわからない不安や苛立ち。大人たちは自信をなくし、求められる「自己責任」に戸惑い、人との関係が閉じていく。子どもたちは、そうした家庭や社会の変化に敏感に反応する。著者は数少ない児童精神医学の専門家として、日々子どもたちの声に耳を傾けている。被害者も加害者も瞬時に入れ替わる子ども社会のあやうさにどう向き合うのか、背後にどんな原因があるのかを、「引きこもり」をキーワードに解き明かす。
目次
引きこもりの「リアル」は社会に通じている
引きこもりの「心」を読む
著者等紹介
高岡健[タカオカケン]
1953年徳島県生まれ。岐阜大学医学部卒業。岐阜赤十字病院精神科部長などを経て現在、岐阜大学医学部助教授。日本児童青年精神医学会理事。専門は児童精神医学、総合病院精神医学、精神病理学。精神鑑定についても造詣が深い。不登校や引きこもりを一貫して擁護する立場から論陣を張る
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