内容説明
ニーチェ、リルケ、フロイトと共に、時代の変革期を自分らしく生き抜いた女流作家。哲学からフェミニズムを経て精神分析へと至った一人の女性の生涯を生き生きと描き出した、ドイツでロングセラーの評伝、初の日本語訳。
目次
第1章 ロシアでの幼年時代と青春の日々
第2章 研究を一生の仕事に
第3章 プロの物書きとして
第4章 旅立ちと帰郷
第5章 女として、女を超えて
第6章 フロイトのもとで
第7章 孤独とともに、友とともに
著者等紹介
ザルバー,リンデ[ザルバー,リンデ] [Salber,Linde]
心理学博士、心理カウンセラー。1944年、ポメルン州のテュッツに生まれる。ケルン大学で心理学、哲学、教育学、心理病理学を学び、1971年よりケルン大学教育学部で教育心理学のゼミナールを担当、74年よりケルン大学学術上級顧問となる。メインテーマとして芸術家の生涯と創作との関わり合いを研究。1977年から2年間、ロンドンで精神分析を実践。1991年よりケルン精神分析学会第一議長に就任。画家としても活躍し、1995年以来たびたび個展を開いている
向井みなえ[ムカイミナエ]
1944年、熊本県生まれ。学生時代にフーゴー・フォン=ホーフマンスタールを研究し、1971年から約35年間、大学でドイツ語を教えるかたわら論文やエッセイを雑誌に寄稿する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ころこ
4
何処にでもマドンナって居ますよね。ルー・ザロメはマドンナのプロトタイプであり、スーパーマドンナです。なぜなら、登場人物がニーチェ、リルケ、フロイトだからです。大雑把に同じタイプとしてみているのはサガンですが、サガンと違うところは、ルーの方が知的で「女道」を極めようとしているところでしょうか。本書は巻末に参考文献が本文の割にかなりの分量が割かれている正当な研究書のようですが、最大の欠点は面白くないことです。まず、引用されているルーの文章が、神と内面の往復のような今読むに値しない退屈さと難解さです。2017/02/17