内容説明
股間に湿疹、腹にサナダムシ。鬼畜ポリ公、ブルース・ロバートソン登場!主人公は黒人殺害事件の捜査を指令されたスコットランド人刑事、ブルース・ロバートソン。女性・同性愛者・人種差別主義。特技は同僚や友人を陥れるための裏工作と残業の不正申告。ポルノ・売春・不倫・オナニー・油もの・安カレー・アルコール・コカイン中毒…まさに、歩く危険指定地域。あまりに奇怪!あまりに強烈!!あまりにもカリスマ的な極悪ヒーローの誕生。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イシザル
8
汚職警官である主人公は、本当は優秀で優しい人間。優秀な人材を適材適所に確保し平等な社会じゃなくて特権階級の都合のいい人材しかいらない覇権主義へのパンクでロックな作品?2023/01/12
yozora
6
警察小説?犯罪小説?ちゃうね!これはそんな枠じゃおさまんねえほど、破壊的でパンク。読書を行儀のいい作法かなんかだと勘違いしてる自称・読書家が読んだら失禁しちまうような、モノホンの読書体験だ。パンチの効いた文章、段落を食い荒らすサナダムシ、緻密なストーリー構成、無駄のない筆運び、隙のない心理描写、生々しい事件と動機、炸裂するエンターテインメント性。ブルース・ロバートソンの血なまぐさい来歴と、露悪極まりなく、それでも必死に生をたぐり寄せようとする、闘争の傷痕。生半可じゃない。今世紀に残るべき怪作だ。2021/05/12
minami
3
「いつだって残された者たちなのだ、後始末をさせられるのは」2013/01/31
hirayama46
3
やっぱりウェルシュ大好きだな……。「これはひどい」というしかない一人称を延々と綴っておいて、これだからなあ……。まったく、素晴らしい。/文章はいつもの渡辺佐智江が全開。イレチンにハメチン、まんちょといった言葉をつい使いそうになってしまって危険。/帯に「ミステリー長編」と書いてあるけど、流石に無茶があるような。2010/04/20
丁字
2
この話のしんどい所って、主人公が実際には共感性が高く、愛情のこもった交流を必要とする性質でありつつ、適応のために真逆の人格として振る舞ってる辺りにあるなーとか思う。彼の悪態の語彙に全部ルーツがあるの切ないよなあ。2016/03/31