内容説明
快楽と殺戮が同じ感覚だった。「血と骨」から2年、梁石日が放つ醒めない夢の果てしない暗黒の世界。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まる
1
タクシー時代の妄想? 実体験でしょうか? 梁さんの作品にしては珍しくサックリと読めました。 しかし、戦後の描写は凄い 文章から匂いがしてきそう^_^;2018/11/09
雲國斎
0
すっかり記憶から抜け落ちてる。短編集だったのね。2010/01/22
tenorsox
0
ユイスマンス「さかしま」のついで読み。 終戦直後の大阪を舞台にした連作短編2本同じような雰囲気の短編数本。 誰もがその日を生きるのに精一杯の状況下、友情とか正義とか理性といったものは遠くに追いやられ、追いやらなかったものは者は追いやった者にこんな目に合わされるみたいな話で読むのが辛い。追い打ちをかけるように、焼き尽くされた街並みとか朝鮮人との諍いとか闇市とか野良犬とかリヤカーとかいったアイテム群がストーリー全般にばら撒かれていて読み手の気分をどんよりと沈ませてくれる。そろそろユイスマンス読むか…2016/04/02
ベック
0
どれだけグロテスクなんだ。
pippi
0
『夢の回廊』での深い記憶の闇が『さかしま』で明らかなストーリーとなり人間の残忍さと弱さを描き出す。息苦しい筆致の『蜃気楼』に出口のみえない夜の底に沈み蹲る。このままじわじわと首を絞められ息が苦しい圧迫感におされてしまうのかと思いきや、後半4篇はタクシードライバー物。つまった息がふうっ、とつける。2013/02/10