内容説明
「僕は会話ができません」4才の時に知った“文字表現”で文章や詩の中で会話をしてきた僕―“最悪の時も前を向いていく”自閉症の直樹は書き続けます。
目次
序章 いちばん好きな作品(夏の終わりに)
第1章 お母さんの愛情が僕を救ってくれました(お母さんといっしょに;海の中には(であったかわいいものたち) ほか)
第2章 詩がいちばん好きです(どこかで雨が;これが宇宙の風 ほか)
第3章 僕の思いを伝えたくて(くもをそらに;かみさまのくに ほか)
第4章 今も僕は詩を書いています(夢;言葉より大きいもの ほか)
著者等紹介
東田直樹[ヒガシダナオキ]
千葉県君津市在住。1992年8月生。1997年2月幼稚園入園。1998年3月児童相談所にて「自閉傾向」と診断を受ける。1999年4月小学校入学。2004年4月千葉県立君津養護学校6年編入。2005年4月千葉県立君津養護学校中学部入学。2008年3月千葉県立君津特別支援学校(旧君津養護学校)中学部卒業。第4回・第5回「グリム童話賞」中学生以下の部大賞受賞をはじめ、受賞歴多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
13
「自閉症」という閉鎖的な言葉から、どうしてもマイナスイメージを持ってしまう自分なのですが、4歳に東田さんが詩を書き始めて、その内容のピュアなところ、繊細でいながら外の世界を見つめているところ、様々に驚きとともに感性の素晴らしさにただただ驚くばかりです。 日ごろ小学生に読み聞かせしていて、実は自分よりも豊かな心を持っている未来からの訪問者に、しっかりと寄り添うためには偏見や先入観を外していく必要性を感じました。 読み聞かせの上で参考になる著作だと思います。2017/04/19
Maiラピ
10
東田直樹君の小学生までの作品集。9歳の頃に書いた『ぼくたちの青い星』オチまでついてました。素晴らしい!!『怪獣』12歳で書いた詩。自分を怪獣として、自分のせいで怒られ叱られ謝る両親。恐竜の時代だったらよかったのに・・と。7歳の時に書いた『約束』母親が必ず僕がよくなると信じている、それがとても苦しいけど、頑張る・・・・読んでて胸が苦しくなってきました。2011/02/26
ヤマセミ
2
なんと豊かで繊細で優しい世界なんだろう。それを小学校低学年でしっかり表現できるとは、まさに天才だ。彼を支えたお母さん、ご家族、周囲の人たち、みんな素晴らしいな。彼の本を読むのは2冊目。もっと読みたいと思った。なんでだろう、彼の謙虚で愛に満ちた言葉には癒される。2016/01/15
Free
1
この本にいろんな全てがつまってる気がする。ずっと大事にしたい一冊。2015/02/07
aoiringo
1
『いつもわらっているお母さんは、たいへんなことをかくしているのではなくて、やさしいというのがどういうことかを、ぼくにおしえてくれているのです。』愛についてわずか8才でこんなに深く率直に理解しているのが凄まじい。愛という単語が4才の初作品で登場しているのだから、ごく身近に自然とあったのだろうね。ごく幼い頃から母と自我を分離して捉えている。日常生活でここまで依ってしまうと難しいのではないかと思うが、きちんと切り離して受ける愛情を当たり前と思わず尊いものだと捉えているのが分かる。2014/11/09