目次
第1章 言葉について―口から出てくる不思議な音
第2章 対人関係について―コミュニケーションとりたいけれど…
第3章 感覚の違いについて―ちょっと不思議な感じ方。なにが違うの?
第4章 興味・関心について―好き嫌いってあるのかな?
第5章 活動について―どうしてそんなことするの?
短編小説 側にいるから
著者等紹介
東田直樹[ヒガシダナオキ]
千葉県君津市在住。1992年8月生。1998年3月児童相談所にて「自閉傾向」と診断を受ける。2005年4月千葉県立君津養護学校中学部入学。第4回・第5回「グリム童話賞」中学生以下の部大賞受賞をはじめ、受賞歴多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
風眠
191
自閉症の子どもたちと接する仕事をしている。昔読んだ『自閉症だった私へ』は、海外翻訳物ということもあり、スッとは入ってこなかったけれど、この本は、日本で生まれ、日本の教育システムの中で学び、日本人の考え方や文化という中で育ってきた東田直樹という自閉症の少年が書いている言葉だから、すんなりと心に入ってくる。自閉症について私が勉強してきたこと、日々接する中で感じていたことへの的確な答えがこの本の中にはある。「教えることをあきらめないで下さい。僕達が努力するのを最後まで手伝って下さい。」この言葉を心に刻みつける。2014/11/15
Die-Go
133
図書館本。自閉症の特長を持つ著者が健常者からの素朴な疑問に一つ一つ丁寧に答えていく形式。分かりやすい内容で納得。手元に置いておきたい一冊。★★★★☆2015/12/18
みぃー
92
自閉症。見かけで何となく判断していた自分を大いに恥じた。心の中も語彙もとても豊かで、自分自身の状態を冷静に分析している。不良品のロボットを運転しているようなものだと。自分でも制御出来ない行動やそれに対する周囲の反応に、恥じているし心を痛めていると。「側にいてくれる人は、どうか僕たちのことで悩まないで下さい。自分の存在そのものを否定されているようで、生きる気力が無くなってしまうからです。僕たちが一番辛いのは、自分のせいで悲しんでいる人がいることです。」この言葉はとても…心の深いところにとても響いた。2015/10/30
あん
90
自閉症である著者が、自閉症の謎について(言葉、対人関係、感覚の違い、興味・関心、活動など)Q&A方式で説明してくれている本です。 うまく話すことの出来ない彼が筆談で語ってくれた内容から、彼らの苦しみや悲しみが伝わってきました。彼の「自分のせいで悲しんでいる人がいることが辛い。自分が辛いのは我慢できる」という言葉が一番印象に残りました。この本をきっかけに自閉症に対する理解が広まることを願います。良書です。2014/11/26
ぶんこ
75
自閉症の研究をしている人、自閉症患者の家族が書いたのではなく、自閉症の東田さんご本人が書かれたという事が重要。「こうだろう)(ああだろう)ではなく、どうしてじっとしていられないか、手を離してしまうのか、目を見て話せないのか。今まで想像するしかなかった障害の、真実があかされました。読んでいて辛かったのは、分かっているのに身体がいう事を聞いてくれない。思っている事と違う言葉が出てしまう。自分で自分の言動がコントロール出来ないというのは、恐ろしい。しかも、言動は無意識でも、頭の中では分かっているなんて。2016/09/05