出版社内容情報
いつ、どのようにして〈胎児〉は〈生命〉として絶対的、普遍的価値を与えられたのか。18世紀の産婦人科医シュトルヒの診察記録をもとに、女の身体知覚の根本的変転と〈胎児〉=〈生命〉となった認識の変容を歴史的に読み解く。
目次紹介
はじめに――「生と死は不思議な戦いをしている」
Ⅰ 女性
1 皮ふの下の不可視なものについて
2 ニルソン効果――指示されて「見ること」
3 ハーレムの平均的胎児
4 ジョアンナとキャロル
5 ガラスのショーケースとなった体
6 身体史―懐疑的であるための訓練
II 胎児
1 公けにされた胎児
2 母胎内の法的擬制
3 仕立て屋の妻の場合
4 思考集団と知覚様式あるいは事実の創出
5 腹のなかの新しい生きもの
6 はじめての胎動、もしくは側室は椅子から転んだ
7 滞りと流動
8 身体感覚――触覚と視覚
9 「子宮対策」
III 生命
1 生命のジンテーゼ
2 聖体――薄紅色の卵子と青い惑星
内容説明
いつ、どのようにして“胎児”は“生命”として絶対的、普遍的価値を与えられるに至ったのか。十八世紀の産科医シュトルヒのもとを訪ねた女たちの妊娠経験は、現代に生きる女たちのものとは断絶している。この、女の身体知覚の根本的変転と、胎児といえば生命となった認識の変容を、近代社会の多層性から歴史的に読み解く。
目次
はじめに 「生と死は不思議な闘いをしている」
1 女性(皮ふの下の不可視なものについて;ニルソン効果―指示されて「見ること」;ハーレムの平均的胎児;ジョアンナとキャロル;ガラスのショーケースとなった体;身体史―懐疑的であるための訓練)
2 胎児(公けにされた胎児;母胎内の法的擬制;仕立て屋の妻の場合;思考集団と知覚様式あるいは事実の創出;腹のなかの新しい生きもの;はじめての胎動、もしくは側室は椅子から転んだ;滞りと流動;身体感覚―触覚と視覚;「子宮対策」)
3 生命(生命のジンテーゼ;聖体―薄紅色の卵子と青い惑星)