感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えすてい
2
これは度肝を抜かされた宗教と哲学の本だった。解説がないと理解不能だったが一字一字読んでいくとナイチンゲールの思想エッセンスがよく分かる。ナイチンゲールがこんな本を書いていたとはビックリだった。ナイチンゲール研究のためにもっと認知度が上がってほしい。
えすてい
1
歴史にもしもは厳に慎まれるものだが、もし仮に修道士であるメンデルがもっと先に生まれて彼が発見した遺伝の法則が生前から認められていたら、ナイチンゲールの信仰と実践に関する科学的思考も大きく変わっていたに違いない。時代とは皮肉なものである。しかし、20代から既に信仰と死について思索を固め、30代に入ってから「真理の探究」の執筆を始め、40歳でこれを印刷・身内に配布したナイチンゲールの「早熟感」は、現代人の感覚からすると「異質ではない」とは絶対に言いきれない。子供向け伝記に毒されるのも問題だが奇才だと言えよう。2017/12/18