内容説明
「世界でもっとも危ない基地」と隣り合わせの小学校で、子ども達は、切実な思いを文集「そてつ」に綴った。大人になった今、彼らは何を思うのだろう?等身大の「普天間問題」に触れるルポルタージュ。
目次
基地のとなりの小学校(普天間飛行場―子ども心に違和感をもっていた;ぼくたちの学校―やはり基地はなくなってほしい;爆音―爆音に悩まされ、腹をたてる小学生がいたということ)
基地と原発(私の住む沖縄―本心は出て行ってほしいけど、簡単じゃない;普天間飛行場―基地が生活と密着しすぎて抜け出せない)
近くて遠いフテンマ(普天間第二小学校―まさかまだ基地が存在しているとは思わなかった;アメリカ軍のき地―やっぱり固定観念が邪魔をしていると思う;うるさい爆音―危険と隣り合わせであることを日々感じていた)
いつか、きっと(ぼくたち、わたしたち―決して言葉にはできなかったこと;聞けない耳きけない口―いつか、きっと、きける時がくる)
著者等紹介
渡辺豪[ワタナベツヨシ]
1968年兵庫県生まれ。関西大学工学部卒。毎日新聞社記者を経て98年から沖縄タイムス社記者。現在、特別報道チームキャップ兼論説委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かじやん0514
2
非常に素晴らしいルポルタージュ。米軍海兵隊普天間基地に隣接する普天間第二小学校の子どもたちの言葉のひとつひとつに、深く考えさせられる。2015/12/08
のんしおーね
1
基地に隣接してるから危ないとは思ってたけど、騒音に慣れてしまっていることに、本人達も気づいていないというのは怖いなと思った。彼らの基地との関係は、思想でも政治心情でも研究対象でもない。「親基地」「反基地」で単純に色分けできるものでもない。生活の中に基地が溶け込んでいる人たちである。というまえがきの文に考えさせられた。2014/03/07
林克也
0
結局ひとごと。今の日本に無くても困らない(ことにならなければいけない)基地や原発があることで当面の生活が成り立っている人たちに、他の生きるかてを見出すための政治が成り立つのか。 2012/02/19
Y_Kuroyanagi
0
20120518ー201205202012/05/20
里
0
普天間に住んでいる子どもにとって、基地があることは普通のこと。飛行機がすぐ真上を飛んでいても、今日はいつもより音が大きいなぁとか操縦士の顔が見えた~とか、そんなことを考えるくらいだった。そうやって日常に溶け込んでしまっていることが問題。本の内容としては、著者の書きたいことと、詩の作者の意見が噛み合っていない所もある気がした。私が普天間で育った人間だからそう感じただけかも。最後の詩が前向きな内容で好き。2012/02/01