内容説明
日本は本当に侵略国家だったのか?!恐怖と憎悪が生んだアメリカの排日運動、英米によるブロック経済圏化、ABCD包囲陣、日本を追いつめた脅迫的「ハル・ノート」…。歴史の事実を一つひとつ丁寧に検証すれば、真実が見えてくる!
目次
第1章 アメリカの対日憎悪
第2章 ファッショと社会主義の誕生
第3章 ソヴィエト社会主義と「右翼社会主義」
第4章 リーダーのいない「二重政府」の悲劇
第5章 満洲建国の必然性
第6章 葬られたシナ事変の真実
第7章 「南京大虐殺」の幻影
第8章 日本外交「二つの大罪」
第9章 太平洋における攻防
著者等紹介
渡部昇一[ワタナベショウイチ]
上智大学名誉教授。英語学者。文明批評家。1930年、山形県鶴岡市生まれ。上智大学大学院修士課程修了後、独ミュンスター大学、英オクスフォード大学に留学。Dr.phil.,Dr.phil.h.c.(英語学)。第24回エッセイストクラブ賞、第1回正論大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ムカルナス
8
日露戦争の仲介をしてくれた米国が何故反日に突き進んだのか?右翼の軍部が何故社会主義者なのか?勝ち目がなくなり犠牲が増える一方の戦を何故ずるずる続けたのか?これまでの読書ではよく判らなかった部分が因果関係を含めて説明があり、やっと全体像が見えてきた。自虐史観もそうだが当時から今日に続く日本の問題点も記されており皆に読んでもらいたい良書だと思う。昭和天皇のお言葉「大戦の遠因はアメリカ移民の問題であり、近因は石油が禁輸されたことである。」外的要因はこれに尽きる。2020/06/26
田園の風
8
最近特に、先の大戦について右寄りの発言を耳にする事が多く、今まで手にすることのなかった著書の本を読もうと思い立った。僕は満州事変はロシアの南進防衛や資源獲得を目的としたとした関東軍による侵略と理解しているが、著者は在留邦人保護が目的であったとある。また、米国のブロック化が大戦の発端とあるが、僕は資源小国という認識を欠いた日本の認識の甘さと理解している。しかし、統帥権の理解を深められたり、米の原爆・大空襲が非難されるべき一般市民大虐殺であることを再認識したりと視点を変えることで得られるものはあったと思う。2016/09/20
takeshi3017
4
歴史の見方が変わる、日本人のための日本の歴史。6は、アメリカの対日憎悪、ソヴィエト社会主義と「右翼社会主義」、満洲建国の必然性など、昭和の大戦への道を描く。渡部氏の本にはたびたび出てくるホーリー・スムート法とオタワ会議による米英のブロック経済化、排日移民法などが大戦の遠因にあるという意見は面白い。詳細→http://takeshi3017.chu.jp/file8/naiyou27510.html2020/06/30
snow
0
旧『「昭和の大戦」への道』の新装版かな。決定版日本史などでおおまかな流れは知っていたが、昭和篇として1冊になると排日運動~大戦へ至る道まで、昭和初期の国家社会主義の数々の大きな事件や軍部の台頭、移民先での日本人虐殺など、一つひとつに詳しくページが割かれていてより深く出来事を知ることができてよかった。それにしても思うのは歴史を紐解けば「虐殺」というものが決してめずらしくないということ。人間の本性や生きるということを改めて深く考えさせられる。 2022/09/09