内容説明
本書は国家試験―公務員試験、司法試験―のために政治学を勉強しなければならない諸君のための受験政治学の体系書である。受験政治学であるから国家試験合格レベルの知識と理解のためだけを考慮して企画、執筆した。
目次
第1章 政治とは何か・権力とは何か
第2章 近代国家の建前を造った人たち―近代政治思想史の展開
第3章 近代諸国家の政治制度の原理と具体例
第4章 現代大衆国家―近代国家の理念が建前と化したこと
第5章 現代大衆国家はいかに動いているか―政治過程論
第6章 政治の科学をめざして―20世紀の政治学理論
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
6
「マキャベリは共和主義者だったが、諸勢力が軍事的抗争を続けるイタリア統一は、もはや強大な君主が実力を用いて強行するほかないと悟ったのだ…君主制は過渡期ゆえに認められる政体であって、権力的支配を自己正当化する暴君を肯定したわけではない…かくして生まれた『君主論』(1513)は、政治を倫理、宗教と完全に分離し、理念にとらわれることなく政治状況を直視できる…「君主」を理想とした。手段がたとえ宗教的・倫理的に悪であっても、政治目的のためには是認されうるとする思想は、まさに近代的政治思想の出発点にほかならない」2015/10/21