内容説明
映画への愛と熱狂と焦慮―迫真のトークバトル。
目次
ジョン・カーペンター『ゴースト・オブ・マーズ』―その凄まじいまでの無責任さが映画である。
モンテ・ヘルマン『コックファイター』―地味な映画万歳!
デヴィッド・クローネンバーグ『スパイダー 少年は蜘蛛にキスをする』―放置プレイ。
ジェス・フランコ祭り―危険な夜。
ブライアン・デ・パルマ『ファム・ファタール』―本当にエロなのか?
野心を持とう!栄光を手に入れよう!!
悪口は楽しい。
本日のお題は“人生の10本”
著者等紹介
青山真治[アオヤマシンジ]
1964年福岡県生まれ。映画監督・作家。96年『Helpless』で劇場デビュー。2000年『EUREKA』がカンヌ国際映画祭で国際批評家連盟賞とエキュメニック賞をW受賞。また、小説『ユリイカ』にて2001年第14回三島由紀夫賞受賞
阿部和重[アベカズシゲ]
1968年山形県生まれ。作家。日本映画学校卒業。94年『アメリカの夜』で第37回群像新人文学賞を受賞。99年『無情の世界』にて第21回野間文芸新人賞を受賞。長篇小説『シンセミア』にて2004年第15回伊藤整文学賞を受賞
中原昌也[ナカハラマサヤ]
1970年東京都生まれ。ミュージシャン・作家。1988年頃より音楽活動を開始し、「暴力温泉芸者」名義で数々の問題作をリリース。97年「ヘア・スタイリスティックス」と改名。2001年、小説『あらゆる場所に花束が…』にて第14回三島由紀夫賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
更夜
12
タイトルに「シネコン」とあるけれど、この鼎談、対談に出てくる映画は絶対にシネコンにはかかりません。銀座シネパトス(今はもうない)が正解!映画監督である青山さんだけでなく、阿部さんも中原さんも映画に対して率直に「照れている」だからオレがオレがという言い分は全くなくて、この映画はすごいよね、あまりにも無意味でっ!といった爆裂トークになっています。私が学生の時、映画研究会だったのですが、パソコンもネットもない時代、居酒屋で徹夜してこんな会話をえんえんとしていた妙になつかしい感じがします。映画に不謹慎ではない本。2015/09/12
Yusuke Oga
12
ジェス・フランコ亡くなっちゃったよ。2014/10/04
vierge
8
んーーー。まず映画批評の本ではないでしょう。青山真治がまえがきで言っていて、「阿部君と中原君と映画について喋るのはただ楽しい」。阿部和重があとがきで書いていて「映画を巡る雑談」と本人たちも感じてるようで、ただ単に3人のおしゃべりを聞いているかのようでした。好きな方は好きかと思います。2016/11/18
王天上
6
何事も真剣に向き合うと、いろいろな発見ができるのだなあ。やはり自分でもモノ作りに挑戦しながら読書したり映画や絵画を鑑賞したほうが得るものが多いと、あらためて思った次第です。2013/05/20
踊る猫
2
正直デヴィッド・クローネンバーグのパートくらいしかついて行けなかった(それでも理解出来たかどうか)生半可な読者なのだけれど、それでもイヤミを感じることなく楽しく読み進められたのは三人が内輪でダベっているけれど、かなり僭越な言い方になるけれど映画に対する礼節を弁えているからなのだろう。平たい言葉で綴られた様々な映画に関する話題を読んでいると黒沢清監督と比較されているロマン・ポランスキーや、あとはブライアン・デ・パルマなんかを観たくなってしまった。中原昌也氏が持つ強烈な個性を他のふたりが巧く打ち消しているなと2016/01/29