感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
生奈旻士
2
摂津幸彦の生きた年月を越えてしまった。 今だ残せぬ言葉に想いを馳せれることを幸福とするか不幸とするか。 余命の歩みを咀嚼していきたい。 白昼夢のような句が並ぶ。 短歌は手紙、俳句はひとりごとか。 天心に鶴折る時の響きあり 蝉しぐれもはや戦前かも知れぬ 荒星や毛布にくるむサキソフォン 路地裏を夜汽車と思ふ金魚かな チェルノブイリの無口の人と卵食ふ 太古よりあゝ背後よりレエン・コオト 発表された最期の句 糸電話古人の秋につながりぬ 幸彦 2014/02/06
ありくし
1
『凍蝶に最も短き紐使ふ』『千手観音普通の河で身を洗ふ』『葛飾の犬に〈時間〉と名付け帰る』『樺の木を押すやうに切る頚動脈』『ひんやりとしゅりんと朱夏の宇宙駅』などなど2015/05/16
Cell 44
0
夢のように茫漠として豊穣な世界。一句ごと、言葉と自分とに交信の電流が走る。2013/09/10