内容説明
巨樹のDNAは何を語るか?日本人の心の奥深くに受けつがれた巨樹信仰とクスノキとのつながりを追い、そのルーツをたどる。
目次
序章 クスノキの巨樹をたずねて
第1章 クスという木
第2章 クスノキの巨樹たち
第3章 クスノキはいつから日本列島にあったか
第4章 クスノキ巨樹の配列に隠された秘密
第5章 クスノキの受難
第6章 伊豆のクスノキ巨樹たち
第7章 クスノキの伝わり
第8章 信仰対象としてのクスノキ
第9章 有用樹にされたクスノキ
第10章 巨樹とその文化を守ろう
著者等紹介
佐藤洋一郎[サトウヨウイチロウ]
1952年和歌山県生まれ。1979年農学部大学院修士課程修了。1981~83年高知大学助手、1983~94国立遺伝学研究所助手、1994~2003静岡大学助教授を経て、2003年10月より総合地球環境学研究所教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
45
柳田国男も真っ青な奇書かもしれない。DNA考古学は古代史に新たな光を投げかけているが、著者の発想は特にユニーク。本書は楠だけに的を絞る。となりのトトロの木として楠は身近な存在だが、巨樹巨木として残さている樹が多い(上位10本のうち9本が楠)。それは長寿といことでもあり樹齢3000年の樹もあるという。なぜ楠の巨樹/老木がこれほど残されたのか、楠大好き人間である著者が全国の楠を巡ってその魅力を伝えつつ、植物学的/DNA分析(科学)を基に民俗学的/アマチュア古代史マニア的な考察を加える。この領域逸脱さが魅力だ。2015/10/18
takao
0
西日本にクスノキの巨樹、出雲は杉らしい。2016/08/14
おかっち
0
伊豆の来宮神社にて、偶然出会った楠木に感動・魅了され、楠木はどういう存在なのか、そして数千年も生き続ける未知なる力を知りたくて手に取った一冊。 西日本に多いこと、樟脳としての機能をもつこと、水に強く、船の材料として使われていたこと、家具には難しいこと色々学べました。けど本当の意味合いはまだ解明されていない…けど、解明しなくても、そこで遥か昔からの歴史を見届けてきた番人として、今の自分を問いただすための大きな存在だと思う。真鶴・伊豆・八尾と自分が訪れた土地が出て来て驚きました。。2020/11/18