内容説明
オジギソウやハエジゴクなどの奇妙な動きは、どのようにして起こるのか。ダーウィン以来、多くの植物学者がその動きに魅せられてさまざまな研究を行ってきた。この本の中で読者は、植物の運動が、ごく少数の奇妙な植物に独特のものではなく、多くの植物に共通して見られるものであることを知るだろう。植物はその葉や花をパラボラアンテナのようにして太陽を追い掛け、光の方を向くことができるし、ある植物は、昆虫に花粉を投げつけて、他家受粉を強要することができる。ある菌類は自身を銛のように発射して微小な動物に突きささり、それを寄生することすらできる。こうした植物の動きから、すべての植物は機能的には筋肉と神経に似た系をもっていること、植物と動物は共通の祖先である単細胞生物から進化してきたものであるらしいことが示される。本書は、静かに野山に生えている植物が、実は原始的な動物に近い存在であるというラジカルな視点を与えてくれる。
目次
第1章 神経をもった植物の感じやすい世界
第2章 破裂する植物
第3章 花のパワー
第4章 狩猟と殺し
第5章 残虐な植物たち
第6章 電気的自己防衛
第7章 光を見る
第8章 日光浴、眠り、それとリズム
第9章 植物の筋肉
第10章 興奮性の化学
第11章 見事な行動
第12章 普通の植物
第13章 興奮性植物の進化
第14章 実験