内容説明
中国長江(揚子江)中下流域を中心に発掘された新石器時代の遺跡から、遺物に残された籾の痕跡や炭化米が多数見出されたことにより、稲作は長江中下流域で8000年から7000年以上前に始まったという説が提出された。一つの時代を画した「アッサム―雲南起源説」は見直されなければならないのか。また、稲は一つの祖先から進化したのか、複数の祖先をもつのか。この論争をめぐる中国の学説を広範に紹介し、議論の行方を探る。
目次
第1部 栽培稲の起源と分化に関する主要な業績(中国における栽培稲の起源と変遷;中国は稲の原産地;中国の栽培稲の起源;太湖地方における稲作の起源および伝播・発展に関する問題 ほか)
第2部 考古・歴史研究者の論文(中国の稲作の起源;中国における稲作起源の再考;中国の早期新石器文化について;中国漢代の長江流域の水稲栽培と農具の発達 ほか)