内容説明
この人たちは、いったい何をやろうとしているのか?理解を絶する凶悪事件が起きるたびに「精神医療の専門家」と称する一群のセンセイがマスコミに登場し、真偽の不確かな伝聞・推定の情報をもとに専門家の肩書きで分析し、さまざまな診断名を撒き散らしてきた。しかし、それは単なるレッテル貼りや見込み診断にしかすぎない。メディアに求められるままに踊らされている精神科医を爼上に載せ、彼らの果たしてきた役割とそのいかがわしい実態をあますところなく白日の下にさらす批評の側からの逆襲。
目次
序章 わたしはなぜ怒っているのか―すべての精神科医殿へ
第1章 精神科医はなぜ「タレント化」するのか―斎藤環の巻
第2章 「タレント精神科医」の完成―町沢静夫の巻
第3章 家族が「精神分析」されるとき―斎藤学の巻
第4章 “勝ち組み自己愛”の人間学的研究―和田秀樹の巻
第5章 「無防備」という武器―福島章の巻
第6章 詐術的レトリックと「治療処分」―小田晋の巻
終章 わたしは何を願っているのか―再びすべての精神科医殿へ
著者等紹介
佐藤幹夫[サトウミキオ]
1953年秋田県生まれ。75年国学院大学文学部卒業。養護学校教員を21年間務め、2001年の4月よりフリーに
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感想・レビュー
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雑食奈津子
4
教員という人たちへの偏見が助長するよ。あなた(著者)が精神科医を偏見の眼差しで見るようにね。書くなら生徒との交流の方が向いている。本人のやり口を糾弾したいのなら対談して。新聞記事を引っ張ってきて文句を並べるって、SNSで有名人に匿名で罵倒するのと同じ。それを20年近く前にわざわざ本を出してまでやったのかよっていうおどろき、信じられない。教員にも戻るべき人間ではないように思えるし、こんな人が教員だったなんて怖い。2019/11/29
readtuktuk
1
メディア上で特定の人物(政治家や犯罪者への)レッテル貼りはよくないという主張。78ページまでで読むの断念。第一章が斎藤環批判にあてられてるのだけど、〈マス・メディアが流す「パブリック・イメージ」を精神医学めかした用語で「解釈」し、メディアの「物語」作りに乗せられている氏の姿である。病跡学であると言い訳をしながら、ゴシップ記事まがいの「人格分析」をして恥じない斎藤氏の姿である〉という具合。こちらは、ラカン派斎藤環の精神分析を批判するものかと思って読み始めたので、がっくり。第二章も同じ感じだったので読破断念。2008/12/06