内容説明
帆船トロアス号の船長ヘンリー・ホームズは、上海で、一年後には日本が開港すると聞き、極東最大のイギリス商社、ジャーディン・マセソン商会と傭船契約をむすび、開港前後の長崎・横浜・箱館を訪れた。本書は、貿易商人としての自由な立場でつづられたユニークな見聞記であり、金貨の取引や日本茶の輸出など、外国商会の具体的な活動がいきいきと描かれている。また、ホームズ船長の活動に関連するジャーディン・マセソン商会の書簡と、一八五九年のイギリス領事報告を収録、詳細な訳注と解説を付して、開港当初の貿易の実態を、あますところなく再現する。
目次
序章 日本への航海
第1章 長崎
第2章 香港
第3章 神奈川
第4章 上海、箱館、神奈川
第5章 帰国準備―神奈川
付録(ジャーディン・マセソン商会の関係書簡;イギリス議会報告書の日本関係資料)