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台湾における〈植民地〉経験 - 日本認識の生成・変容・断絶

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  • サイズ B6判/ページ数 347p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784894891753
  • NDC分類 222.406
  • Cコード C3039

出版社内容情報

伝承・変質・風化していく「植民地」の記憶。大きな変貌をとげた今日、対話と自問から生まれた新たな「台湾(人)」論。

時間とともに「植民地」言説がさまざまに伝承・変質・風化していく一方、台湾社会は大きな変貌を続けている。本書はそうした中で、あえて行われた人類学的挑戦であり、フィールドにおける対話と自問から生まれた「台湾(人)」論である。

目次
はじめに (植野弘子)

台北市古蹟指定にみる日本、中華、中国のせめぎ合い (上水流久彦)
 はじめに
 一 台湾の中の中国像
 二 古蹟をめぐる歴史認識の争い
 三 生活の一部としての古蹟
 結論

台北故宮における「中華」の内在化に関する一考察
   ──国立故宮博物院組織法の制定を中心に (松金公正)
 はじめに
 一 国立故宮博物院組織法の成立
 二 民進党政権樹立以降の台北故宮の変容
 三 本館リニューアル
 四 台北故宮と「中華」との距離
 結びにかえて

植民統治期台湾における日本人漁民の移動と技術
   ――「移民村」のカジキ突棒漁を例として (西村一之)
 はじめに
 一 技術──カジキ突棒漁の特徴とその沿革
 二 台湾東部における日本人移民事業
 三 漁民の移動とカジキ突棒漁──「移民村」建設の経緯から
 四 まとめ

台湾の日常と「日本教育」――高等女学校生の家庭から (植野弘子)
 はじめに
 一 台湾における高等女学校教育とその特徴
 二 高等女学校生の家庭とその教育
 三 高女生の家庭の慣習とその変化──高女卒業生の語りから
 四 伝統的慣習と倫理──その維持と変化
 おわりに

日本語世代の語りの中の「日本」 (五十嵐真子)
 はじめに
 一 問題の所在
 二 語りの中の「日本」
 三 「日本」と「中国大陸」、そしては「台湾」をめぐって
 おわりに

サイシャットから見た日本――日本統治初期における二人の抗日事件リーダーを中心に (末成道男)
 はじめに
 一 南サイシャット頭目日アクアイの回想記
 二 北サイシャット総頭目タロの回想記
 三 考察

警察官用原住民語教科書に見える原住民へのまなざし (三尾裕子)
 一 本論の目的
 二 「蕃語編纂方針」──通訳養成最初の試み
 三 対訳教本の編纂
 四 原住民語集の内容とそこから見える原住民観
 五 結論  288

否定された台湾原住民族の旧慣――一九三○年代を中心に (笠原政治)
 はじめに
 一 槍玉に挙げられた慣習
 二 屋内埋葬について
 三 ブヌン(布農族)の婚姻慣習と結婚難
 おわりに

おわりに (三尾裕子)

本書に関連する研究会・シンポジウムの概要
索引

著者紹介

植野弘子(うえの ひろこ)
明治大学大学院博士後期課程満期退学。博士(学術)。
現在、東洋大学社会学部教授。
著書に『台湾漢民族の姻戚』(風響社、2000)など。

上水流久彦(かみづる ひさひこ)
広島大学大学院博士課程後期修了。博士(学術)。
現在、県立広島大学地域連携センター助教。
編著書に『台湾漢民族のネットワークの構築原理』(渓水社、2005)、『交渉
する東アジア』(風響社、2010)など。

松金公正(まつかね きみまさ)
筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科単位取得退学。
現在、宇都宮大学国際学部准教授。
論文に「真宗大谷派台北別院の『戦後』:台湾における日本仏教へのイメージ形成に関する一考察」五十嵐真子・三尾裕子編『戦後台湾における〈日本〉:植民地経験の連続・変貌・利用』(風響社、2006)など。

西村一之(にしむら かずゆき)
筑波大学大学院博士課程単位取得退学。博士(文学)。
現在、日本女子大学人間社会学部助教。論文に「台湾東海岸における漢人・アミ漁民と沖縄漁民の接触」崔・原田編『植民地の朝鮮と台湾』(第一書房、2007)など。

五十嵐真子(いがらし まさこ)
南山大学大学院博士後期課程満期退学。博士(人間文化学)。
現在、神戸学院大学人文学部教授。
著書に『現代台湾宗教の諸相』(人文書院、 2006)など。

末成道男(すえなり みちお)
東京大学院博士課程修了。博士(社会学)。
現在、東洋文庫 研究員。
著書に『台湾アミ族の社会組織と変化』(東大出版会、1983)、『ベトナムの祖先祭祀:潮曲の社会生活』(風響社、1998)など。

三尾裕子(みお ゆうこ)
東京大学大学院博士課程中退。博士(学術)。
現在、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授。
論文に「民間信仰の「空間」と「神―人関係」の再構築 :台湾漢人社会の事例から」西井凉子・田辺繁治編『社会空間の人類学:マテリアリティ・主体・モダニティ』(世界思想社、2006)など。

笠原政治(かさはら まさはる)
東京都立大学大学院博士課程単位取得退学。
現在、横浜国立大学名誉教授。
編著に『馬淵東一と台湾原住民族研究』(風響社、2010)など。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

なんべん

0
ゼミで取り扱った本。入門編ではない。ほかの入門書を読んでからなら対応可。2014/07/03

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