内容説明
山奥の渓谷に人知れず造られる揚水発電ダム。それは広大な土地を水没させ、貴重な動植物の生息地を奪う。ダムは川の流れを分断し、水質汚染や地震など多くの問題を引き起こす。大きな犠牲を払って造られる揚水発電というシステムは本当に必要なのだろうか?素朴な疑問を出発点に、推進する側の論拠を丁寧に検証してゆくと、そこから日本の電気料金全体のからくりが見えてくる。著者は、現在進行中の世界全体のエネルギー業界の変化を踏まえつつ、新しい潮流である自然エネルギーの可能性を提示する。
目次
第1章 失われゆく風景
第2章 ダム固有の問題点
第3章 揚水発電ダムはなぜ必要か
第4章 エネルギー問題?いいえピークの問題です
第5章 電力問題の地殻変動
第6章 雨水の一滴から大河に