出版社内容情報
日本近代が育んだ良質な教養に立脚し、時代と人物の本質を剔抉する随想を紡いできたジャーナリスト粕谷一希のエッセンスを精選!
“人”で描くもう一つの近現代日本像! 戦後言論界においてリベラルな論陣を仕掛けてきた著者が、編集者として接してきた論客たち。リベラリスト粕谷一希を形成した先人と、粕谷と共に戦後論壇の一翼を担った同時代人の、時代における布置を鮮やかに切り取る珠玉の随想を精選。
【推薦】塩野七生(作家)/半藤一利(作家)/陣内秀信(建築史家)/福原義春(資生堂名誉会長)
粕谷一希[カスヤカズキ]
著・文・その他
目次
1 吉田満の問いつづけたもの
2 先人たち(小林秀雄と丸山真男―青春について;河上徹太郎の姿勢;保田與重郎と竹内好―ロマン主義について ほか)
3 同時代を生きて(鶴見俊輔;萩原延壽;永井陽之助 ほか)
4 教えられたこと(松本重治先生;ある日の小島祐馬先生;京都学派ルネサンス ほか)
著者等紹介
粕谷一希[カスヤカズキ]
1930年東京生まれ。東京大学法学部卒業。1955年、中央公論社に入社、1967年より『中央公論』編集長を務める。1978年、中央公論社退社。1986年、東京都文化振興会発行の季刊誌『東京人』創刊とともに、編集長に就任。他に『外交フォーラム』創刊など。1987年、都市出版(株)設立、代表取締役社長となる。現在、評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ケンサン
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オムニバス形式の随想集。…自称「隠れ非マルクス主義者」/吉田満の『戦艦大和ノ最期』→戦士の美徳を真摯に描き鎮魂を込める…戦後世代の我々が忘れてならぬは悲劇の歴史。「エゴイズムの正当化」を忌み嫌う/波多野精一の『時と永遠』→表現は自己実現活動の基本、象徴は実在的他者との交渉を成立たしめる原理。真の人格主義は、自己実現としての文化ではなく、愛の世界にあり、他者実現を目指す必要がある!/小林秀雄と河上徹太郎→「エゴ」の視点で河上に共感?他者への愛→「穏やかで芯の強い」個性を志向/林達夫の「声低く語れ」の名言。2023/01/15