内容説明
「社会企業(ソーシャル・エンタープライズ)」の成功には何が必要なのか?ニューヨークを皮切りに、ホームレスの自立支援を米各地で成功させてきた社会企業「コモン・グラウンド」「コミュニティ・ソリューションズ」。その創設者への初めての詳細なインタビューを通じて、その20年に亘る活動を跡づけるとともに、日本の「貧困問題」「災害復興」などの現場で活躍してきた著者が、「社会企業」の理念から財政力、法的位置づけに至るまでを網羅的に解説し、今こそ求められる「社会企業」の役割と、あるべき未来像を実践的に論じる。
目次
1 「社会企業」をつくるということ(「コモン・グラウンド・コミュニティ」をつくる;第二のプロジェクトの立ち上げ;アメリカ各地への展開―建物から街区へ;10万人のホームレスに住まいを!―コミュニティ支援という新しい事業へ)
2 「社会的包容力」と社会企業の役割(貧困問題とホームレス対策;成熟社会における市民活動と社会企業;社会的包容力と社会企業)
結語 日本の市民活動の発展のため社会企業法の制定を
著者等紹介
青山〓[アオヤマヤスシ]
1943年東京生。明治大学公共政策大学院教授。都市論、日本史人物論、自治体政策。中央大学法学部卒業。1967年都庁入庁。都市計画局課長、高齢福祉部長、計画部長、政策報道室理事などを歴任。99~03年、石原慎太郎知事の下で東京都副知事。2004年より現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Shun
3
第四セクターの社会企業による活動について。『人が何らかの理由によって排除されることのないように取り組む社会的な努力』である、社会的包摂(Social inclusion)の考えに基づき、どのようにホームレス問題に取り組んだか、バカティ氏との対談で明らかにする。 「住み続けることの保障」「相互主義」「福祉の原則は現金ではなく、その人に欠けているものやサービスを現物給付すること」「問題なのは市民活動の財政力」の主張に強く共感した。2016/11/05
chaco
0
社会的企業ってどうやって成り立っているんだろう、と思って読んでみた。アメリカでホームレス支援の企業を作ったハガティさんの言葉には日本の貧困を変えるためのたくさんのヒントがある。一方アメリカの制度だから出来た面もあって、日本でやっていくにはまた違う方法が必要だと思う。2014/02/15
やしきち
0
アメリカの社会起業家の実践例。「自分がやるしかない」と気づいた後の行動力がすばらしいと思いました。2013/08/07