内容説明
西洋人の手で初めて明かされた近世以前の東アジア交流史。日本国家の成立から、近代ヨーロッパ世界との遭遇の直前まで、7‐16世紀に及ぶ日本の対外関係の全体像を初めて通史的に捉えた画期的著作。「モノを通じた東アジアの交流」と「モノづくり日本」の原点を鮮やかに描き出す。
目次
序章 ヨーロッパから見た東アジア世界
第1章 朝貢交易―七‐九世紀
第2章 唐物への殺到―九‐一二世紀
第3章 海を渡ったモノ
第4章 自由貿易の高まり―一二‐一四世紀
第5章 増大する輸出―一四世紀後半‐一六世紀
終章 唐物輸入から倭物輸出へ
著者等紹介
ヴェアシュア,シャルロッテ・フォン[ヴェアシュア,シャルロッテフォン][Verschuer,Charlotte Von]
1955年ドイツ生まれ、ボン大学卒業、フランス国立東洋言語文化学院大学文学博士(東アジア学)、フランス高等研究院文学博士(歴史学)、現在フランス高等研究院歴史学部教授。専門は古代・中世日本の対外関係史および物質文化史。1990年代から『参天台五台山記』のフランス語訳注と『善隣国宝記』の英語訳注等を続けている
河内春人[コウチハルヒト]
1970年東京都生まれ。明治大学大学院文学研究科博士後期課程退学。明治大学文学部・立教大学文学部・桜美林大学兼任講師。専門は日本古代史(東アジアの国際関係史・文化交流史)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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陽香
3
201107302017/01/06
むとうさん
2
フランス人がフランス語で日本の交易史を書き、それが英語翻訳されて最終的に日本語になったという経緯を持つ本。思ったより専門書チックで「楽しめる」タイプの本ではなかったが、水銀や唐物など細かいところで発見はあった。中国は理念先行、日本は実益先行型の貿易をやっていたというのは、19世紀の近代化の波に対する反応に通ずるものがある。東アジアを地中海になぞらえていたけれど、地中海と比べたら圧倒的に交易規模は小さいとは思う。でもこの本がフランスでどういう反応を受けたかは気になるな。どんな人が読みたいと思うんだろう?笑。2013/01/21