感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tecchan
1
ブックオフで何気なく手に取り開いたぺージに、自分の尊敬する末川博先生との交友が記載されており思わず購入。2008年に85歳で亡くなられた名随筆家である岡部伊都子氏が、最晩年に、それまで交友のあった人々との思い出、自分の人生を振り返った語り下ろし。「この戦争は間違っている。死ぬのは嫌だ。」と話してくれた22歳の婚約者を「なんでそんなことを言うの」と送り出し、沖縄戦で失った加害意識が、生涯を貫いていた。2021/01/24
もまちそ
1
自分も高校生のころまではこんな純な心を持っていたのになぜ忘れてしまっていたのか。伊都子さんの美しい生き方に自分が恥ずかしくなります。でも、まだまだこれからと素直に思える、話し言葉で書かれているためさらに心にしみいる素敵な本でした。2011/08/25
アレカヤシ
0
弱者を労り守ろうとする心は美しいと思うけど、このような人たちはいきすぎる時があると思う。例えば小松川事件に対する反応。殺人は殺人ではないのか。そして、差別される者が更に弱い者をいじめたり、力を持って多数派になって差別する側に回ったりする。戦争や殺人もなくなることがない人間世界。こんなに考えてしまって著者のように靭くなれない。大阪弁の語りが素敵。長野政雄の生き方に強く撃たれた。「年を重ねると、若さからの解放があります。若いときは、そこまで自由にはならへん」P256 「恋はあくまでも人格の高揚です」P3362017/12/21
tecchan
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ブックオフで何気なく手に取り開いたぺージに、自分の尊敬する末川博先生との交友が記載されており思わず購入。2008年に85歳で亡くなられた名随筆家である岡部伊都子氏が、最晩年に、それまで交友のあった人々との思い出、自分の人生を振り返った語り下ろし。「この戦争は間違っている。死ぬのは嫌だ。」と話してくれた22歳の婚約者を「なんでそんなことを言うの」と送り出し、沖縄戦で失った加害意識が、生涯を貫いていた。2021/01/24
okatake
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恥ずかしながら初著作。 御名前は存じていましたが、なかなか著作を手に取る機会がありませんでした。最晩年の御自身で執筆も難しくなってきた時期のもののようで、語り下ろしと副題にあります。 御自身の人生を振り返り、生き方を変えることになった戦死した婚約者との最後のやり取り、父の母に対する仕打ちなど、反骨のエッセイストとして生涯を通して語り続けた彼女の人生を振り返られています。 荒畑寒村さんとの接点があったなど興味深いお話が多く詰まっています。2020/02/11