内容説明
西洋文明の原点となる古典古代ギリシアを形成した蛮族とは?ミノア・ミュケーナイ文明を解明し、東西文明顛倒の濫觴となったペルシア戦争の目撃者ヘロドトスと共に歴史再精査の旅へと踏み出す。ペルシアの敗北とアレクサンドロスがもたらしたヘレニズム文化のダイナミズムは西洋優位のまま東西を再融合していく。以来、西洋中心主義史観の呪縛から解き放たれることなく、今日なおグローバリゼイションという名の画一的世界文明を享受する現代社会。宇宙形成から地球生物の誕生を起点に、人類が織りなした文明すなわち、神話、宗教、思想、哲学、言語、数学、科学、経済理論の軌跡を遡り、9.11事件の“いま・ここ”から八千年の文明史を巨視的に俯瞰する著者渾身の6000枚。
目次
1部 二度目の千年紀から鋤き返す、大地を(おお、いま・ここよりして遡ること五千年;ウィトゲンシュタインとメルロ・ポンティの対比列伝から;「宇宙の沈黙」に向き合う「一本の葦」;二一世紀へと向かう現代哲学=思想の問題構制 ほか)
2部 東西文明の交差する“主体の世界遍歴”へ(“枢軸の時代”の諸啓示宗教、ゾロアスター教、グノーシス、古代インドのカースト社会;「汝自身を知れ」の両義性ならびに自己と他者)
著者等紹介
いいだもも[イイダモモ]
本名・飯田桃。1926年東京生まれ。作家、批評家、そして活動家。東京大学法学部卒。日銀を退職後、地域と東京でさまざまな政治・文化活動に従事する。60年代には新左翼諸派の統一をめざす共労党を結成、また「べ平連」を創立するなど、各種の反戦・市民運動に積極的に関与する。以後今日に至るまで、つねに現代文明と資本主義をその思想的根底から問い直す、多彩な言論・評論活動をつづけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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