出版社内容情報
ことばの奥深く潜む魂から近代を鋭く抉る鎮魂の文学
「石牟礼さんは太古の光を放って、現代に生きて少しも失わない。その光が『天湖』を書かせる。これは現代の神話でも童話でもない。精霊がものを言い、夢が現実を凌駕して、現実を虚空のものにまで押し上げてゆく力、その果しない想像力に私は魅きつけられる。私達はいくつになっても空想の徒だ。「夢がなからんば、何がほんとうか」というおひなの声がする。それは火種である。その火種をもらって現代人は燃えることができるだろうか。」
(志村ふくみ氏評)
目次
1 天湖(鳥のゆくのは;沖の宮;月影の橋 ほか)
2 『天湖』をめぐって(湖の上の藤;湖底の声;野の道ありき ほか)
3 エッセイ1994(炎のまわり;〓(ばい)独楽の旅―宇宙的な時間を夢見ながら(住井すゑとの対談)
丘の上の麦畑 ほか)
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